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8.訓練開始

 なんともハードな状況だ。そもそも神の言葉が通じる相手がイカロスの血族のみという限定であっても存在しているというのに、そんな状況になっているなんて、ビックリだ。

 こんなん背負わされる平凡な日本の高校生って、なに?ほんま、なんで雄大が選ばれたんやろ?


「あ、僕、出来るだけのことはやってみようと思います。まずは魔法?勉強させてください」といって雄大は頭を下げている。

 こういう所が選ばれた要因か?まじで天使やもんなぁ~。


 『雄大が習得すれば全て聖魔法になる』という神からの言葉を伝えると大いに感激されている。聖魔法は奇跡の魔法で、お祈りして神に届いたときだけ使えるものなのだとか。

 ケチ臭い設定で国造りするから、やっかいなことになるんやな。


 翌日から、実技と座学が詰め込まれた。

 実技はちょっと恥ずかしそうに、

「ウォータースラッシュ!」と言いながら指さしする雄大を、俺は悶死を覚悟しながら見守っている。

 流石に神に見込まれただけあって、順調に威力を増している。

 可愛いから、しばらくはヘタくそで落ち込むターンが多めに欲しいところやったな。


 座学は、込み入った世界情勢なんかも学習している。

 魔物は、世間では、ジュード王国(通称魔王国)の国王(魔王)が生み出して人間社会にけしかけていると思われている。

 なんでそんな誤解が生まれたか。どうやら、見た目らしい。肌が緑色なんだそうだ。確かに見慣れない色だ。元の世界ではゴブリンとか、オーガとか、河童とかが物語に登場する。確かに悪役の色っぽいか?


 実際は、巨大なダークスポットの側に住んでいるので、それに対応できる人種だけが生き残っている。その人たちの肌が緑だったというだけらしい。

 ダークスポットは、人の悪意が渦巻く場所で、通常ならその付近にいると発狂するので住めないらしい。

 ジュード王国と唯一の陸続きのブルムス聖教国だが、そのために、ジュードに向かって北上することはない。

挿絵(By みてみん)

 分断されていて全く交流がないジュードだが、海で難破した船などが流れ着くことがあって、緑の肌を見る機会があり、『これは同じ人類じゃない。こんなのと一緒にダークスポットの魔物に立ち向かえというなんて、神がそんなことをおっしゃるはずはない。よって、大神官の言うことは出鱈目で神の意志に反している』となった訳だ。


「神様の言葉が、多くの人に直接届けば問題なかったんですね」としょんぼりする雄大。

 どうせ、『格好いい神は少数精鋭にしか声を届けない』とかなんとか不思議な決まりを国造りの時に設定したに違いない。

 いけ好かないやつは、マイルールが多いんや!

 せめて、変更の聞く後付けルールにしとけや、ボケ!

 国造りの最初のルールは変更できへん、固定やで、常識やろ!


 きゅーきゅーと、独り言で悪態をついていたら、ユリリーアスが鬼の形相で現れて、俺をむんずと掴んで、ワープした。


「あ、神様!?えぇ?リスさんを、連れて行っちゃいました……」雄大が見たままの感想を呟いたが、そのとき俺は、神殿の祭壇のような場所にブン投げられていた。


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