組み合わせ発表
広いホールに隊員たちが集められ、緊張と熱気が入り混じる。
壁際のモニターに、大きなトーナメント表が映し出された。
「第一回ランク戦——組み合わせを発表する」
進行役の声に、会場が一斉にざわつく。
裕也は息を呑み、画面を見上げた。
——そこにあった自分の名前は、よりによって上位評価を受けている新人のひとりと並んでいた。
対戦相手の名は「篠森蓮」。
痩身の青年で、氷のような眼をしている。
噂では、異能は「空間に残る残像を操る」タイプ。
本人が動かなくても、映像のような“影”が攻撃してくるという。
(残像……速さで翻弄する俺にとっては、最悪の相手じゃないか……)
背筋に冷たいものが走る。
だが同時に、胸の奥が静かに高鳴っていた。
(だからこそ……突破できれば、本当に自分の力を証明できる)
横から少女が覗き込み、口笛を吹いた。
「へぇ、篠森か。強いよ。けど——いいじゃん、いきなり本気でぶつかれる相手だ」
黒瀬も視線を寄越す。
「恐れるな。奴の残像は所詮“映り込み”。本物の音を聴き分けられれば勝機はある」
会場のざわめきがさらに膨れ上がる。
初戦から実力者同士のカードが組まれたことで、多くの視線が裕也へ注がれていた。
裕也は拳を握りしめる。
「……やるしかない」
ランク戦初戦。
彼の異能と覚悟が試される日が、ついに近づいていた。




