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視察五日目

 視察五日目の今日は、私とクラウスはウェザリア国の首都を見て回って、パパはウェザリア国の政務に関してをウェザリア国の貴族と話し合う予定だ。


 最初は私とクラウスの二人で首都を回るのを嫌がっていたけど、政務をクラウスに任せる訳にはいかないのを分かっているパパは渋々私に「楽しんでこい」と言った。


 だから、朝食を食べてから「お前も来たなら手伝え」と言って嫌がる祖父を引き摺ってまだ修繕され切っていないお城に向かうパパ達を見送った後、馬車に乗った。



「うわぁ…!凄いお店の数!」

「この通りは貴族の屋敷が近くにあるからブティックが多いな。流石、装飾関係で栄えていた国」

「お店で商品を買ったりしている人がいるし、大丈夫そうだね」

「俺らが攻めて一ヶ月は混乱に陥っていたけどな。生活に問題がないのなら普通になるさ」



 貴族が利用するブティックの通りは貴族の馬車がお店の前に停まっていたりして、貴族が買い物をしている様子から何も問題はなさそうに見えた。


 だから、ブティックの通りを過ぎて次に行こうとした時に「ちょっと降りるか」と急にクラウスが馬車を停めさせるから何で?と不思議に思った。


 そんな私を無視して、クラウスは私を抱き上げて馬車から降りると子ども服が売られているお店の中へ入って行った。



「こいつに合うドレスを何着か頼めるか?」

「かしこまりました。こちらへどうぞ」



 お店に入るなり店員の人が出迎えてくれて、奥の部屋へと案内された。そして、並べられた大量のドレスに「わぁ…」と思わず声が出た。


 並べられているドレスは、私が見慣れているレースがふんだんに使われたふわふわしたドレスと違ってクラシカルなものばかりだった。


 可愛い…!とそばに寄って見て回っていると、クラウスから「気に入ったのはあったか?」と聞かれて頭を悩ませた。


 どのドレスも可愛いものばかりだったから、絞るのが難しい。う〜ん……と悩みに悩みまくりながらドレスの周りをウロウロしていると、クラウスに持ち上げられた。



「ここにあるの全部購入する。ここに送っておいてくれ」

「お買上げありがとうございます。かしこまりました」

「えっ?え?」

「ん?どうしたよ」

「ぜ、全部買うの…?」

「決めらんねぇんだろ?なら、全部買えば解決する」



 凄い買い物の仕方だ。でも、前世で一度はしてみたかったんだよなぁ、ここからここまで全部くださいってやつ。


 それが今できる立場にいるっていうことを改めて実感して、今度買い物の機会があったらやってみようと思った。


 ドレスに合わせた靴も購入して店員の人に後のことを任せると、クラウスはお店を出て馬車へと戻った。私を座らせて馬車が走り出すと、市井の方へ行くことを教えてくれた。



「自分の国より先にここの市井を見て回ることになるとは思わなかった」

「そういや城から出るの初めてだったな」

「そうだよ。お店で買い物したのも初めて」

「市井は市井で賑わってて楽しいぞ。出店の料理もなかなかいける」

「へぇ〜。楽しみだな」



 ブティックの通りを完全に抜けると、煌びやかな景色ではなくなった。すぐ市井に着くだろうから景色を眺めながらクラウスから市井の話を聞いて、楽しそうだと胸を膨らませた。



「転けんなよ」

「大丈夫」

 


 目的地の市井から少し離れた場所で馬車から降りて、クラウスに抱っこされて歩きでブティック通りより賑わっている市井に到着した。


 市井に到着してもクラウスは抱っこした状態で市井を見て回ろうとしていたから、歩きたいと駄々を捏ねてやっとまともに地に足をつけることができた。


 市井の中央広場には大きな噴水があって食べ物の露店が多く、いい匂いが漂ってきてお昼前なのにお腹が空いてきた。



「子どもらが結構はしゃいでいるな」

「皆足速いね」

「お前は走るなよ」

「走らないよ!」


 鬼ごっこなんて前世の子どもの時にやって以来だったから懐かしい。楽しそうに笑って走っている私より少し年上の子どもの様子を少し見て、露店ではなくきちんとしたお店が立ち並ぶ通りに足を進めた。


 服、靴、小物、花、野菜、果物と色々なお店が立ち並ぶ光景に「おお…!」と声を出した。野菜や果物はどれも新鮮なものばかりのようで「品質がいいな」とクラウスが褒めていた。



「ん、出来立てだから火傷すんなよ」

「ありがとう」



 しばらくお店を見て回って、私のお腹が鳴ったのをきっかけに昼食を食べることになった。


 せっかくだから露店のものが食べたいとクラウスにお願いすると、仕方ないという顔で「はいはい」と言って私を抱き上げて、中央広場の露店へ足を進めた。


 露店には串焼きやスープ、パンや飲み物にクッキーといった甘いものまであって何にしようかと悩んだ結果、クラムチャウダーとパンを購入した。クラウスも私と同じで、それに追加で串焼きを購入していた。


 露店の近くで座れる場所に腰を下ろして、熱々のクラムチャウダーに息を吹きかけて冷ましながら一口飲んだ。


 お城にいるシェフ達が作るクラムチャウダーはあっさりしているのに対して、露店のクラムチャウダーはあさりの旨味がしっかり感じられて濃厚な味がした。


 こっちの方が好みだなと思いながら、もう一口飲んでパンを手に取ると、クラウスから「一口いるか?」とお肉の串焼きを私の目の前に持ってきた。


 気になっていたから遠慮なく一口貰うと、色々な香辛料がふんだんに使われているのか、子ども舌の私には辛く感じた。


 舌がヒリヒリし出して、慌ててクラムチャウダーを飲んで緩和させた。そんな私の様子に、クラウスはケラケラと笑いながら豪快に串焼きを食べていて、少しムッとした。


 そして、昼食を食べた後は飲食店の通りを見て回って、帰る前にアフタヌーンティーを楽しんで帰った。

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします!

そして、誤字報告してくださった方、ありがとうございました(*.ˬ.)"

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