ちょっとした異変
「おや、残念だけど、今日はこれでお別れみたいだ。」
「また明日、会えるといいね。それじゃ」
そんなことを言って、彼は去ってしまった。
結局、どこまでもわからない人だ。
いったい、いつになれば彼を理解できるのだろう
そんなことを考えつつ、私は帰路をたどっていった。
その翌日は、何かおかしかった気がする。
こう、なんというか、何をしても身が入らないというか。
それと、今日は彼に会わなかった。
喜んだほうがいいのだろうか。
わからない。
その翌日も、彼に出会わなかった。
なんだか、その日は雨だった。
別に、雨だったわけではない。
ただこう、なんというかモヤモヤした。
おそらく、いや十中八九彼が原因だ。
その日は彼から話しかけられた。
「気を付けて」
「さようなら。元気でね。」
途中は、いつもより元気に旅の思い出を買ったっていたかと思えば、
最後は、とても寂しそうにしていた。
忠告はきっと
最近は忙しく、忘れ物が多いのだが、そのことを言っているのだろう。
けれど、何か変だった。
あの日から一週間、彼と出会わなくなった。
何かおかしい気もするが、思えばこれが普通なのだ。
いやでも、私たちにとっては異常なのだろうか?
祝日のその日、私は家でのんびりとしていた。