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悪いことしてないじゃないですか



「蘭!大丈夫⁉︎」

「……初芽。まあなんとかね」

「ぶ、無事で良かったです」

「由布子さんもわざわざありがとう」



桑名に襲われた後、4人は湊の家に集合していた



「本当にごめん。俺がちゃんと送ってあげてたらこんなことには……」

「いやいや!私が大丈夫だと遠慮したからですわ。だから湊さんに非なんてないですわ」



そんな中、周りにバレないように初芽が小さいジェスチャーで私のことを呼び出した



「蘭の後つけてたんでしょ?バカ姉がいながらなんでこんなことになったの?」



他の3人には聞こえないように小声で話す初芽



「……初芽と同じブレスレットをしてた」

「……なるほどね。だから手も足も出なかったと」

「うん……あとなんか白くて丸いやつも」

「拘束するやつまで買ってたんだ。アレもだいぶ高いのに」



同じところで買ってるだけあって詳しい



「多分ですけど、襲ってきた男は以前初芽を襲った人物と同じですわ

「……桑名」

「ああそうです。そんな名前でしたわね。以前に聞いた男の特徴とも合ってますわ」



蘭さんと桑名は直接の面識はない。だからこそ私は油断していた



「け、警察に相談とかは?」

「実はもうしてるんだ。初芽ちゃんが襲われた時にね。でもその襲われた証拠もなかったから取り合ってくれなかったんだ」



マンションの入り口にしか監視カメラはなく、犯行の現場は映像として残っていなかった



「面識のなかった私に手を出してきたということは、初芽と私だけじゃなく、由布子さんにも手を出される可能性がありますわ」



前に桑名が由布子さんを見た時は鼻で笑うような様子だったが、あの時はボサッとした髪だったせいもある。今の由布子さんは身なりを気にしはじめて更に可愛さが上がっているから、 十分に狙われる可能性がある



「本当にごめん……俺のせいでみんなを巻き込んで……」



拳を強く握る湊。その目には涙が浮かんでいた



「何言ってるんですか‼︎湊さんは何も悪いことしてないじゃないですか!」

「そうね。初芽の言う通りだわ」

「み、湊さんのせ、せいじゃないです」



3人とも自分が危険に晒されたのに、怒るどころか湊を慰めてくれている



「悪いのはバカ姉よ!」



なんっでやねん‼︎

と大声で叫んでしまった



「あのクソ男とバカ姉が結ばれて私と湊さんが結婚すればこんなこと起きなかったのに……」



私のツッコミは聞こえていたであろう初芽は、そのツッコミすら無視して理不尽なことを言ってる



「私的には、初芽と結ばれるのを阻止した李華さんは素晴らしいと思うわ。ねえ由布子さん?」

「ええっ⁉︎え、えぇっと……」

「ちょっとそれどういうことよ‼︎」

「自分の胸に聞いてみたらどうですー?」

「えーっ?私胸が大きくて聞き取りづらーい!蘭みたいにペチャンコなら鮮明でクリアに聞こえるんだろうな〜」

「……面白い冗談ですわねー。オホホ」

「ううん。冗談じゃないよ?本気も本気。オホホ」



なんか空気が悪くなってる。さっきまで目に涙を浮かべてた湊も、2人の険悪ムードにオロオロしはじめた



「ふ、2人ともや、やめてください!」



ここで2人の間に割って入ったのは由布子さんだった



「そ、そんな変な争いしてるば、場合じゃないです!」



由布子さんの正論に2人は何も言えない様子。

由布子さん……私は嬉しいよ。内気でこんな状況の時に声をあげられる人じゃなかったのに



「そ、そもそもむ、胸の大きさなんてどうでもいいじゃないですか」

「「カッチーン」」



……あーあ。火に油注いじゃった



「この乳星人め‼︎どの乳ぶら下げてそんなこと言ってんのよ‼︎」

「ち、乳星人⁉︎」

「由布子さん。あなた大きいからって調子に乗ってるようね。そんなことを言うのであればそのおっぱい私がもらって差し上げますわ。私達一家の総力をあげて完璧に付け替えて差し上げます」

「お、落ち着いてください2人とも!」



由布子さんに悪気はないんだろうし、持たざる者がそれを言う分には問題ないんだろうけど……ご立派すぎる物をお持ちの由布子さんがそれを言ってしまうと2人には煽りに聞こえても仕方ない



「……まあでも由布子の言う通りね。言い争うよりも解決策と対策を練るべきだわ」

「そうですわね。……湊さん。私は無事だったんですからそんな顔しないでください」

「……でも」

「さっきも言いましたけど、湊さんは悪くないですわ。悪いのはあの男。そして湊さんにはこれから私達のことを守ってくださればそれで構いませんわ」

「……蘭さん」

「一緒に考えましょう。4人で考えれば何個かいいアイデアが出るでしょう」



……今回は蘭さんが格闘技経験が豊富だったからなんとかなった

でもおとなしい性格と、そういった護身の術を持たない由布子さんや、護身の術を持っているものの、男に迫られると途端に恐怖心に襲われる初芽が襲われていたら……



そんなことを考えるだけでゾッとしてしてしまう。

私の見解では、1番狙われているのは初芽。私の姿に酷似し、そして血が繋がってる点。これだけで十分に狙われる理由になる



私も私で、出来ることを精一杯考えよう。3人を守るためにも

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