それなw(前半)
まぁなんとか万引きの疑いを晴らした俺。
だけどまぁ、いずれは今のスキルだけでは手詰まりだよな。
どうにか新しくスキルを
うほほぉーいw
新たに機能がスキルが付いた。
これを喜ばずして、いつやらいでかw
「えらい狂喜してまんなぁw」
うるへぇw
ずいぶんと久方ぶりな気がするぞ。
スキルが付くのはw
そして、そのスキルとは・・・コールスキル。
コールスキル?
なんぞ?
それは・・・w
「まぁ簡単に言うたら発信出来るって事やな」
発信?
俺から電話可能って事か?
「まぁそういうこっちゃな」
ほほぅ、と言う事は何、俺からどこへでも電話出来る言う事か?
「ただまぁ、どこへでもという訳やないで」
ん?
「おまけに30文字制限付きや」
はぁ?
30文字?
何ですぅ~?
「発信出来るゆうたかて、直接話す事も出来まへんで。
いわゆるメッセージを通話にして飛ばすいう奴や」
ガクッ。
空想でがっかりしてみせた。
メッセージを飛ばすって・・・w
だが、どこへでも飛ばせる訳じゃないと?
「まぁ、そらそうですやろな。
熟練度が引っかかっておるで。
それによって、距離が限られるっちゅう訳や」
むむ、そこはまぁやむを得んか。
「もう一つ、GPSへコール出来るで」
なんか凄そうだなぁ。
「あれま・・・、驚かんのか。
まぁええわ。
これを使えば、自分の位置や相手の位置が丸見えっちゅう訳や」
な、なんと!
ある意味チートでわないっか!
だがどういう使い方するんだ?
それ・・・。
「せやなぁ・・・、相手の位置を掴むとか?」
使い道を選ぶスキルのようだなぁ。
「まぁそうなんやが、自分の位置がいつでも判るんやで」
そう、それなw
自分をロストしても、位置が判るって事だろ。
「まぁ、熟練度を高めれば、気配も探せるみたいやけどなぁ・・・」
い、今、すっごく重要な事言ってませんでした?
「ん?
相手の位置?」
うんにゃ、その後。
「自分の位置?」
さらに後w
「とういうと・・・気配でっか?」
それだっ!!
それヤバくね?
相手を探すとかw
「ほぅでっか?」」
下手したら、ストーカーだよw
それw
「だがしかし、今は無理でっせ。
どのみち、あんさんが切磋琢磨せぇへんと使えまへんで?」」
そこよなぁ。
何度か相手先を探すみたいな?
そんな機会、なかなかない気がする・・・。
「せやろなぁw」
まぁまぁいいさ。
何度か使って行けばいい話だろ。
「そうでんな」
ん?
なんか、藤原さんが俺をじっとみつめてるぞ?
なんだぁ?
そんな事って今までにあったかなぁ?
しかもなんか物憂げw
可愛い!
「おーい、藤原ぁ!
今朝、頼んだやつ、出来てるかぁ?」
「あ、ハイ、ただいま、持っていきます」
「おぉ、頼んだぞ」
そう、今は藤原さんのオフィスにいるのだ。
その後、藤原さんは忙しそうに書類を作成している。
しかし、何だろう?
なんで、あんなに俺を見つめていたんだろう?
「何か、やったんとちゃいまっか?」
ま、まさかぁw
無力な俺ですぜw
「それもそやなw」
いや、そんな、あっさり認められると傷付くんですけどw
まぁいいや。
新たに付いたスキルの使い道でも考えてよっとw
しかして、事件はその後起きた。
ズダァーン!
その後だった。
その場に似つかわしくない音がしたのは・・・。
オフィスの入り口を見たら覆面をした男たちが並んでいた。
見るとライフルと思しき物を上向きに構えていた。
先程、聞こえていたのは、どうやら、銃撃音らしい。
あまりの音にしばらくは静まり返っていた。
「銃だ!」
誰かが口にした時に空気が一変した。
辺りは悲鳴に近い声が上がり始めていた。
ズダァーン!
「静かにしろ!
殺されたいかぁ!」
その声で静かになる。
「大人しくしていれば何もしない。
その代わり、妙な動きしてみろ。
ぶち殺す!」
リーダーらしき者が首だけ部下にやらせろと言わんばかりに動かした。
部下たちはすぐにオフィスにいる者を縛り上げてしまった。
「スマホは一時的に取り上げるぞ」
リーダーは一声上げると部下が動き出し、スマホを一人づつ、取り上げていく。
無論、机の上にあるスマホもだ。
俺もまとめられて取り上げられたが、すぐに、転移して、あいつらに見えぬよう棚の中にうまく隠れた。
これは由々しき問題だなぁ。
いずれにせよ、何が起きたのか、まずは状況整理である。
突然入ってきた奴らは人数にして5人、銃を持ってる者は2人、真っ黒なカバンをいくつか持つ者が3人だ。
見るからに、ここを襲撃するのが目的ではないのは明らかだ。
では、こいつらは何が目的でここに来たか、だ。
探知してみると、外にはすでにパトカーが並んでおり、通路封鎖しているようだ。
と言う事はこいつら・・・銀行強盗か?
りりりりり・・・・。
その時に電話が鳴る。
リーダーは部下の一人を見ると部下が電話に出る。
「警察からです」
リーダーは一応頷く。
それから、何か電話でやり取りを続けている。
会話が一通り済むと、受話器を耳から離す。
「リーダー、警察からですが、人質を直ちに放つようにとか。
降伏しろとか、まぁ、いつも通りっすね」
「それなら、屋上にヘリを一機用意しろと。
時間延ばししてやがったら、1時間おきに人質を一人づつ殺すと言え」
「判りました」
それから、受話器をあて、今の要求を通したらしい。
一人づつか・・・俺に出来る事はなんだ?
今、やれる事は・・・う~ん。
まさか、犯人を一人づつ倒すとか無理だし、警察に通報するしか、ん?
通報?
そうか・・・、室内の情報を外に流すくらいの事は今なら出来る。
さきほど、覚えたスキルを使えば、だがw
だが、ヘリコプターとか、操縦出来るのがいるって事だよな。
屋上には確かにヘリポートはある。
取材とか色々とやってるみたいだからな、この会社。
それを狙っての襲撃って事か。
なるほどな。
だが、それが失敗なのだ。
ここには俺がいるのだからなw
かと言っても、今の俺に出来る事は限られる。
それだけを使ってなんとか解決させねば、藤原さんの命ばかりか、ここにいる人たちだってヤバいよな。
まずは室内の情報を警察に流して、危険のないように出来たらライフル取り上げたいとこだが・・・。
武器があれだけとは限らない。
ライフルがなくなったと知るとあいつら何をするか判ったもんじゃない。
非通知にして、警察内部に情報を伝える。
それもこまめにだ。
文字数制限30字までだからなぁ・・・やれやれw
ちなみに今は警察に通報すると、GPSとかで探知されるんだよな。
しかも、非通知にしたところで逆に知られるしくみだしな。
そこで、俺は考えた。
会社の前のコンビニへ電話し、警察へ伝えるようにした。
そして、犯人の動きを絶えず見続ける。
問題はライフルだ。
どうにかして奪いたいところだが、いきなり、消したら変に思うし、犯人が暴れ出さないとも限らない。
何よりも武器が他にもあるかも知れないからだ。
どうしたもんかなぁ・・・。
「あんさん、あんさん」
何だよ、うるさいなぁ、こっちは色々と考えてるんだから。
「ライフルってどんなんや?」
あぁ、ハイハイ、ライフルは引き金引くと弾丸が飛び出るしくみで、殺傷能力がヤバいんだよ。
とんでもない武器なんだよ。
「ほほぅ、と言う事は弾丸がなければ?」
阿保か、弾丸なかったら武器にならんよ。
「さいでっか、忙しいとこスマンしたな」
あぁもう、はよ消えてくれ・・・ん?
なんか重要な事を聞かれた気がする・・・。
何だ?
何か忘れてるぞ・・・?
弾丸なかったら武器・・・あ!
そっか、弾丸そっくり奪えばいいんだ!
なるほどなるほどw
よっしゃ、やるか!
俺はリーダーの後ろ側に気付かれないように転移した。
そこで弾丸をごっそり収納してやったw
他にも弾丸ないか探知してみる。
弾丸のあるとこへ静かに転移して次々と弾丸を収納していく。
一丁上がり~っ!
そこでさきほどのコンビニへ一言(敵の弾丸全部奪いました。突入するなら今です)w
も一つ、おまけ(ライフルからも弾丸抜いた。安心を)と追加した。
後は隠れて待つだけだなぁ、うん。
そして、数分後には、警察が突入してきた。
そこで見張りに立っていた強盗の一人が叫ぶ。
「な、何だ!
う、撃つぞ!
人質を殺すぞ!」
犯人はそう凄んだ時に動きは止まった。
「では撃ってみなさい・・・」
一人の警部らしき者が前に出て挑発する。
すると、逆上したリーダーはその人物に向けて撃とうとした。
カチッ。
発砲は出来なかった。
次の瞬間、ライフルを持った二人はあっという間に取り押さえられてしまった。
ウハハハハッ、これは見ていて気持ちいいな!
あのきょとんとした姿、笑えるわw
さて、取り上げた弾丸はどうするかな?
パトカーへ放り込むか。
俺は早速、もぬけの殻のパトカーを見つけ、その運転席にどさ~っと弾丸を置いた。
そして、まとめられたスマホの山に戻った。
そうして、オフィスは現場検証をするという事で、もう後は仕事にならず、社員は事情聴取を受け次第、家に帰る事となった。
藤原さんもその一人で、警察の聞き込みを終えて後、帰り支度をしていた。
そこへ、ニュースを聞きつけたらしく、心配していた滝本さんが来ていて、一緒に帰る事となった。
「大丈夫?」
「うん、平気よ。
何もされなかったから。
あ、でも縛られてたけどね」
「だけど、犯人、ドジだよねぇ。
弾丸込め忘れるとか」
「そうね。
それで、みんな助かったんだから、逆に感謝かな?」
「そうだね、感謝だよねぇ。
弾丸忘れた間抜けな犯人さんに」
滝本さんのおかげか、さっきまで真っ青な顔で震えていた藤原さんに笑顔が戻った。
良かった。
誰も怪我していなくてw
今回は俺がいたからこその笑顔なんだと思うと満足していた。
確かに俺が解決したのだが、誰もそれは知らない。
報われないかも知れない。
だけれど、藤原さんの笑顔があればいい。
俺は絶対に藤原さんの笑顔を守ってやるぞ!
「わてもあんさんを見てますがなw」
ん?
あぁいたな、そう言えばこいつがw
「こいつはないですやろ
あんさんを知る一番の人物やのにw」
それなw
人物かよ!
あっという間に解決したよ。
いつもの機転で、弾丸奪ってやったw
そしたら慌ててやんのw
「わてがヒント与えたからやないか」
まぁいいじゃないのw
藤原さんさえ無事ならw