おいこら (9/17up)
そうして、就業のベルが鳴る。
それでも、誰一人帰ろうともしない。
この多忙期に仕事がたくさん残ってるというのもあるのだろう。
企画部にいる誰もが真剣に仕事をこなしていっている。
「みんな、大変だろうが、無理はしないで欲しい。
まぁ、毎度の事だろうから判ってはいるんだろうけど、手の空いたものは出来るだけヘルプして、みんなで乗り切るよ」
「はぁ~い」
「了解!」
「こっちヘルプお願い」
芦田が気を使って声かけていった。
そして、それぞれが返答して、体を動かしていく。
愛も無我夢中で手を動かしている。
ミスをしないようにと必死なのだろうが、芦田の声は聞こえていないようだった。
そんな時だ。
「よっ」
「キャッ!」
芦田が一人頑張ってる愛に声をかけたからだ。
「あ、芦田チーフ・・・」
「頑張ってるね。
キミがミスなしに仕事をこなしてるのは嬉しいけれど、少しは休みなさい。
その作業はヘルプいれるから」
「はい、では休憩してきます」
「うん、気合入れ直してきてね」
愛は言われたまま席を立ち、スマホを手にし、休憩所へ向かう。
そして、缶コーヒーを飲みながら一息いれる。
自販機の側にはチェアがあるので、簡単ながら休憩出来るのだ。
缶コーヒーを床に置いて、スマホを取り出し、メモを入れる。
今では、それがスマホとのコミュニケーションである。
オーラ化すれば会話も簡単に済むのだが、人目がある場所だとそうもいかない。
そこでスマホがメモを使った方法を考え付いたという訳だ。
これだと、誰もが怪しまずに済む。
どうやって、メモに返信するのか、方法としては、最近になって、スマホ機能の一部が扱えるようになってる事に気付き、思ったように自分で文章を打てるようになってるという。
それで誰もが目を疑われないという訳だ。
「残業大変だね」
「うん、でも冷や冷やものよ。
ミスしないように必死だから」
「そこは俺がサポート入れてるしw」
そう、ミスもなしに作業が進んでいるのもスマホが動いていたからだ。
忘れ物とか、もはや日常化しているので、スマホが取りに行ったり、また、入力ミスとかも、極小化したオーラで、パソコンの画面上で誰にも見えないように注意を促したり、仕事のスケジュールもスマホに手助けを受けながら進めてたりしていたのだ。
「うん、でもいいの?」
「いいんだよ、どうせ暇を持て余してるしw」
「ホントにありがとう」
「で、今日はどれくらい残ってるの?」
「あとは予定の確認だけだからすぐだと思う」
「そっか、頑張って」
「ウン!」
そして、再び、企画部室へと戻って行った。
すると、騒ぎがあるようだった。
見ると芦田が焦りながらも指示してるようでもある。
その周囲も慌ただしくもスタッフが出入りしているようだ。
愛はその様子をみて、首をかしげつつも席に付くと異変は起きていた。
「!
こ・・・、これは・・・!」
愛は画面を見たまま、呆気に取られていた。
どうしたんだろう?
俺は藤原さんの顔を見て、気になったので、周囲を見渡すように藤原さんの見てる画面を覗き込んでみる。
ありゃ・・・。




