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気が付いたら・・・、スマホになっていました(笑)  作者: 寝音祢子
第一章 スマホにされてしまった・・・
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マジで?

 俺、主人公なんだけど、いきなり死んでしまったよ。

 って話が続かんだろw

 死んだら終わりじゃねぇよと作者は言うけど、まさかこんな仕打ちを受けるとはね。

 あんまりだぁぁぁぁぁっ。

 気付いたら真っ暗で何も見えんかった。

 マジここ、どこなんだろう?

 と言うか、もっと重要な事。

 俺ってば今、体動かせないっぽいんだけど(笑)

 こんだけ暗くて体が動かなかったら不安なんだけれど・・・、いやこれマジで。

 それに時間経過も判らんし。

 マジまいるわ・・・。

 いつになったら、俺、治せるんだろう?

 てかここ病院なのかなぁ?

 俺、よっぽどの重傷で集中治療室で、もしか意識不明だとか?

 あれ?

 でも意識はあるぞ・・・?

 変だなぁ・・・。

 意識不明とか言うが体の自由が利かないとかなんだろうか?

 あぁそう言えば音も聞こえてないし・・・。

 それどころか口も聞けてないなぁ。

 ん~?

 聞こえてないから口が聞けんのか?

 それともマジで聞こえてないのか?

 何もかも判らんなぁ。

 一番問題なのは、今の状況が呑み込めてないって事だよな。

 ここがどこかも判らんし、体だって、現在も治療中なのかだって判らんしな。

 と言うか、俺、あん時、車に撥ねられた記憶あるし、助けた少女マジカワだったなぁ(笑)

 また会えないかなぁ?

 お見舞いとか来てくれたのなら、マジサイコーって感じなんだがなぁ。

 ただ、一番最悪な事・・・。

 これだけはさっきから考えようとしてて、無視というか・・・、避けてた事実・・・。

 あん時に俺、死にかけてた感覚あったから、ほんとに死んでる・・・とか?

 いやいやいや、それだけ、マジ・・・勘弁だわ。

 俺、死にたくないつうか、まだまだ、やり残してる事あるからさぁ(笑)

 不安になるわマジ・・・でさ。


 ガラガラ・・・。


 お?

 何か音が聞こえてくるぞ?


 コッコッコッ・・・。


 というかガラガラ・・・?

 俺、何か運ばれてるっぽい?

 足音聞こえてるし、揺られてる感覚があるしな。

 誰か何かやっててそれが聞こえてるのかな?

 だとしたら、話しかけたいのだが、声出そうにも出せねぇし、ほんとどうしよう。

 腕だって、体すらも起こせないし、何も出来ねぇとか、マジ腹ただしいわ。


 コトッ。


 おや?

 揺れが収まったぞ。

 で、何か話し声がするけど、聞こえ辛いな。

 周りが少々、騒がしいけれど、そのせい?

 あ、また揺れだした。

 何が起きてるんだろうな?


 ベリッ。

 バカリ。

 スー・・・。

 ガサゴソ・・・。


 ん~何か感触がするぞ。

 体中なんだかくすぐったいような、掴まれてるって感覚だな、これ・・・。

 何か頭押されてる気がするし、何だか様子がおかしいぞ?


 うわっ!


 いきなし綺麗な姉さん見えてるし、何か腹いじられてるし、こちょばゆいw

 と言うか、顔でかい。

 って俺どうなってる?

 顔見えてるなら、意識あるはずだし。

 っと、手で運ばれて天井・・・?

 って手でぇっ!?


「お客様、こちらの機種で宜しいでしょうか?

 宜しければ、動作を確認してみて下さい」


 声がしたと思ったら、手がアップだよ!

 ずいぶんと大きい、巨人?

 掴まれたらしく、運ばれてる・・・。

 手から手へ持ち換えられ・・・たら・・・。

 というか俺、身動き出来ず、運ばれてる感じだなぁ。

 何かどっかで見たような部屋だし、病院じゃないなここ。

 って、よく考えたら看護士さんいない!

 そして、巨大な手が離れて・・・、顔がまた見えた。


 うん!?

 すっごい美人!


「ええ、この機種で大丈夫です。

 前から(むすめ)が欲しがってた色ですし。

 なにしろ、あの()ったら、前に与えたのが色が嫌だとか、ウフッ」

「判りました、では、こちらで機種変更手続きいたしますが、引き続き、外観上はは問題ないでしょうか?」

「えぇ、これで大丈夫だと思うわ」

「承りました、それではこのまま機種変更処理いたしますので、このままお待ち下さいませ」

「ええ」


 すると移動させられてさきほどの姉さんが俺の腹をまさぐってる。


 くすぐったいぞ、おい(怒)


 というか、会話が変だ。

 病院でするような会話じゃないし・・・、何やら先程から気になる言葉が・・・機種?

 って・・・まさか、おい、俺ってばスマホになった・・・とか?

 しばし、呆けた後、俺はパニックになった。


 ・・・。

 冗談やめてぇぇぇっ!


 ちょ、ちょっと待ったぁぁっ。

 落ち着いてよく考えるんだ俺!

 さきほどから見えてる景色。

 姉さんの服装がどうも店員さんっぽいし。どう見ても看護士さんじゃないっ!

 どう考えても携帯ショップらしいというか、携帯ショップそのものの中に見えてるだろっ!

 んでこれ、もっとも重要な事。

 俺は体が動かないし、どう考えても手で運ばれてるってか、なんかいじられてる。

 そして頭が白くなった・・・。


 ほんとにスマホになったんかぁぁぁっ!


 マジか、これ、いわゆるラノベなんかでよくある転生物って奴だろっこれっっっ。

 どうせ転生するならするで、冒険者とかにしてくれぇぇぇぃっ(泣)


 と思ってたら・・・。


「はぁ

 やれやれですわ」


 何だ?

 今の音声は・・・?


「あんさん、鈍い奴ですなぁ

 わし、いわゆるナビゲーターなんでっせ」


 と、その時にさきほどの店員さんが客に説明する声が入ってきた。


「お客様、機種変更の処理が完了されましたので、引き続き、メモリーのバックアップはいたしますか?」

「あ、お願いします」

「判りました、ただいまから、メモリのバックアップをいたしますので、少々、お待ち下さいませ」

「あ、ハイ」


 う~む・・・。

 由々しき事態だぞ、これ、スマホになってしまって、俺どうしたらいいんだ?


 むむっ。


 またくすぐったい感覚。

 どうやら何やら操作されてるようだ。

 だけど・・・。


 美人だなぁ・・・、癒される。


「いやらしいですなぁ

 あんさんは・・・

 呆れまっせ」


 姉さんに見とれてたら、また、これ・・・。

 さっきから聞こえてる不快な言葉・・・。


「いあ、だから、こんでもあんさんのパートナーなんでっせ」


 まぁないだろな。

 ・・・。

 スマホでパートナー・・・?


「そうでっせ」


 って、お前、誰だ~~~~~~!


 思わず絶叫し過ぎて、店員さんたちに聞かれそうな勢いで俺は叫んでしまった。


「せつないですなぁ

 ナビゲーターと説明したんにw」


 いきなり、頭がパニックだ。

 大体、俺自身がスマホになってしまっただけでもパニックだってのに、一つの本体に意識が2つ存在してる・・・?


「ん~

 正確にはあんさんに付属する機能ですがな」


 ん・ん・ん~?

 つまり、俺にガイドする機能・・・?


「簡単に言うたらソレですがなw」


 だからって、なんでその言葉使いに?


「まぁまぁええですねんw

 あんさんとも長い付き合いになるんでっせ」


 う~む、いろいろ突っ込みたいところではあるが、まぁいいだろう。


「それがいいですわ」


 というか、俺たちの会話が外には筒抜けにはならんのか?


「そこはわいらだけで意識を共有しとりまっからな。

 大丈夫やろ。

 便利ですやろw」


 いやいやいや、それってとどのつまりは俺の考えがお前に筒抜けって事だろう。

 それは問題ないのか?


「まぁ問題ですやろな」


 おい!


「まぁええですやろ。

 わいらの会話が外に漏れることは絶対ないんやからw」


 まぁまぁそこはいいだろがな。

 でもなぁ、お前って呼び方もどうだろ?

 ナビ・・・?


「呼び方なんてどうでんよかろw」


 いあいあいあ、こっちがかまうわw

 まぁとりまぁ・・・トリさんでいいか


「安易ですなァ」


 どうでもいいって言ってなかったか?


「まぁそれでええですよw」


 んじゃ、トリさんで決定で、後の変更は受け付けんぞ。


「うぃ」


 んで基本的にトリさんは機能を説明する役割なんだよな?

 今は俺、何が出来るんだ?


「それはまぁいろいろありますがな

 まぁ必要にせまられたら案内しますよって」


 ほぅほぅ、なるほどね。

 現在ある機能とか勝手に説明してくれる訳だ。

 まるっきり、普通と言うか全然普通・・・。

 まぁ見えてる人が美人だし、一緒に過ごせるかもだし、これはこれでアリかな?

 そのうち、会話だって出来るかも・・・。


 ・・・。

 あぁないないない・・・、スマホが勝手にしゃべるとか、マジ引きレベルだわ。

 と思ってると・・・。


「お客様、メモリバックアップしました。

 メモリの内容等、確認されますか?」

「え?

 いえ、娘の物ですし、今回はいいですわ」

「了解しました、それでは機種変更しました必要書類等の確認に入りますが、その書類をご用意いたしますので、しばらくお待ち下さいませ」

「あ、ハイ」


 どうやら、持ち主は今の人でなく、娘の物になるらしいな。

 ほんとに俺はその娘のスマホになって、これから生きるんだなぁ。

 そもそもスマホだから生きてる?


 微妙・・・。

 まぁとりあえず、俺の持ち主、美人だといいなぁ。

 今、話してる方も美人だし、娘も期待出来るかも!

 あ、待てよ・・・父親似だとしたら・・・、いやよそう。

 都合よく母親似だとしておこう。

 これからの人生、バラ色だぁっ!

 というか人生?

 スマホ(せい)でいいのか?

 う~ん・・・。


「やっぱ、あんさん、いやらしいですわぁ」


 ほっとけ!!!


「お客様、必要書類がご用意出来ましたので、これからご説明いたします・・・」


 そして、視界が暗くなった。


 何だ?


「そりゃ電源が落とされたよってに、外界とのリンクが切断されよりますわ。

 しばらく操作されないと、そうなりますよってに。

 仕方ありませんがな」


 むむむ、電源が落ちると外界とのリンクが閉じるのか。

 不便だな。

 それにしても・・・。

 スマホ・・・。

 今あるスキルを確認しようか。

 これマジ大事だからな、知ってるのと知らないのでは大きく左右されてしまうし、基本だしな。


「基本そうですやろな。

 まずは検索スキルに・・・」


 検察スキルとは?


「そりゃ本体上の記録情報の検察が出来ますがな」


 全然至って普通だ・・・。

 スマホとして転生したのにつまらないぞ!

 なんてつまらない物になってしまったんだ、俺。

 みじめだ・・・(泣)


「あんさん、そら高望みですやろ」


 すると、手続きが終了したようで、そんな会話がふいに入ってくる。


「お客様、これで書類の確認とサインが済みましたので、これにて業務は完了いたしました。

 お疲れさまでした。

 あと、何かご質問等ございますでしょうか?」

「ありがとう、でも、もういいわ」

「判りました、今回は当店のご利用ありがとうございました。

 またご用命ありましたら、またのご利用をお待ちしております」

「お疲れ様」


 どうやら、機種変更が終わったようだ。

 それからの俺は、バッグの中にしまわれて、現在も移動中の模様。

 外界の情報が切れ、不安でもあるし、何かと不便を感じる。

 これからの事。

 何かと不安だが、なんとかなるだろう・・・なるのか・・・ならんのか?

 まぁ暇なんで検察でメモリを色々と覗いて見よう。

 これから俺が使われるのだし、予備知識くらいはないとだしな。


 アドレス確認したいんだけど、確認できるかな?


「あいよっと」


 すると眼前にパネルが浮かび情報が映し出されてくる。


 伊賀健斗 080-xxxx-xxxx

 滝本望 090-xxxx-xxxx

 ・

 ・

 古川秀美 070-xxxx-xxxx

 ・

 ・

 以上。


 ずらずらっと何名かの名簿が出てきた

 けっこういるな。

 顔が広いようだ。


 いやというか、持ち主本人の情報を聞きたいのだが・・・。


「そんなら・・・」


 氏名、藤原(めぐみ)

 住所、東京都xx市〇〇町2-6-1・・・・。

 誕生日 西暦2005年4月8日

 血液型 O型


「ちなみに本人の写真がありますがな?」


 写真?

 見るに決まってる!


「やっぱ、エロいですわ、あんさんw」


 やかましっ!

 そこで写真が映し出された。


 え・・・?

 これ、俺が助けたあの少女じゃないか・・・。

 この()が俺の持ち主になるのか!?

 嘘だったら夢から覚めて欲しいぃぃぃっ!

 何という運命・・・。

 嬉しいなぁ(笑)

 ダメだ、もし人間だったら顔がきっと歪む。

 スマホで良かったかも。

 というか、この少女と一緒に過ごすのか、俺ぇぇぇっ!!

 この舞い降りた幸運、いいのだろうか・・・w

 もうテンションMAXである。

 これからがマジで楽しみだなぁ(笑)

 写真フォルダあるかな?

 見てみよう。


「そらまぁありますよって」


 お、あるぞ、写真一覧出してくれ。


「あいよ」


 写真がずらっと並ぶ。

 みんなあの少女や友人らしき人や家族の写真もあった。

 見てて思ったのは、あの少女、マジで可愛い・・・w

 並ばれる写真を見て、これからの事を思っていた。

 あぁ、涙が流せるならきっと泣いていただろう。

 こんな嬉しい事があっていいのだろうか・・・?

 胸があったならきっとざわめいた事だろう。

 少女の姿を思いながら、そして、俺は眠った。

 その夜、スマホになってしまった夢を見てしまったよ、悪夢かぃ!

 まぁ良かったなぁ~(笑)

 って・・・え?


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