はじまり..2
いつもの駄菓子屋の前を、通りかかると、つむじとミルクちゃんがいた。
「おっはよー!」
「あ、おはよう…もぐもぐ…なのです」
なんか食べてる食いしん坊のつむじは、猫族の男の子。
「ちょっと、つむじ。食べるかしゃべるかしにゃさいよ」
「じゃあ、食べますよ」
「はぁ。おはようみんな」
こちらは白猫のミルクちゃん。駄菓子屋の看板娘です。
「ちょっと、聞いたにゃ?」
「ミルクちゃん、どうしたの?」
珍しく不安そうな表情だね。どうしたのかな?
いつの間にか雨も止んで、雲間から光が差す。
「隣のクラスの子が見たの」
「?なにを?」
首をかしげるハコちゃん。流れ的に怖い話しかもしんない。ハコちゃんは、気づいてないけど。
「放課後、音楽室でピアノの音が聴こえたの。もう、それは見事な猫踏んじゃったなの。
だから、その子は誰が弾いてるか気になって見に行ったら……」
「…見に行ったら?」
聞きたくないけど、聞いてしまう。
「黒い影見たいのが、弾いてたらしいわ」
ぞくりとした。幽霊って嫌だなー。お化け族は、夜な夜な墓場で、駄弁ってるけどさ。
お祭りの帰りとかに見たことある。
「みんなで、見に行ってみるか?」
ユウくんが、維持悪く言うので、むぅってなる。
「平和な村の退屈しのぎになるのです」
「あら、つむじ。今日は駄菓子屋のタイムセールよ」
「しまった。忘れていたのです!」
学舎のクラスは、いつも通り騒がしく、村長のエライソンくんの自慢話しに、愛想笑いする子供や、うんざりしてるものがいる。
嫌なら、聞かなければいいのにな。
「あら、おはよう、ユウく~ん」
ミナミ=ハルカが、私を押し退けて、ユウくんに迫る。
「お、おはよう、ミナミ」
距離が近いので、どうしていいのか分からないみたいだ。
「あら、あなたもいたのね、ミカさん。おはよう」
「む。おはよう」
ここで、腹を立てても仕方ないのでスルーする。
「ところで、聞きまして?音楽室のこと」
「ええ、うんまあ」
「もちろん、光の巫女としては、ほっとけないでしょ?」
「ええ?光の巫女関係ないし。私知らないよー」
首をぶんぶん横に振り、手を振る。
「でも、怖がってる人もいることだし、なんとかして下さらないかしら?」
意地悪で言ってるのかと思いきや、どこか必死だよね。
もしかして、怖いのかなー?
「もしかして、怖いの?」
「そ、そ、そ、そんなことある訳ないでしょー?」
せわしなく視線を動かし、動揺してる。
「まあまあ、ミカちゃん。幽霊退治なら、このサトケンがお供しよう」
サトケンは、マントをブァサッと広げて、それを被るミナミ=ハルカ。
「サ~ト~ケ~ン!」
「ああ、ごめんごめん。僕のマントがつい」
慌ててミナミ=ハルカに被せたマントをとる。
ぷるぷると震えてる。怒ってるかな?
「すまないね。お詫びと言っちゃなんだが、僕のスペアのマントを……」
「いらないわよ!」
ぶつくさ下民が、とか言いながら自分の席へと、戻ってしまう。
そこへ、チャイムが鳴り、みんな席に着く。
「はぁ」
なんだかんで放課後に、音楽室に行くことになりそうだね。
あ、そうだ。なにも無かったことにして帰るかな?
つづく
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