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359話 神竜の怒り

「アルトくん!?」

「アルトさま!?」


 少し離れたところにいたジニーとアレクシアは、悲鳴に近い声をあげた。


「くっ、アルト殿!」


 ククルが急いで駆けた。


 落ち行くアルトに向けて手を伸ばす。

 しかし、聖騎士の力を持ってしても間に合わない。


 差し出した手は宙を空振り……

 その視線の先で、アルトが遥か下に落ちていくのが見えた。


「そん、な……」


 アルトは重傷だった。

 その上で、この高さから落下した。


 生存できる可能性は……


 ククルは呆然として、その場に膝をついてしまう。


「ウソだろ……」

「まさか、こんな……」


 グランやテオドールを始め、他のメンバーも呆然とする。

 目の前が起きたことが信じられないという様子で、誰一人、動くことができない。

 言葉を発することもできない。


「……ふふ」


 そんな中、一人、笑みを浮かべている者がいた。


 ク―フェリアだ。

 アルトの生存が絶望的になったことを喜ぶように。

 これで計画通りだと楽しむように。


 小さく、歪に笑っていた。


「今だっ、連中を制圧するぞ!」


 アルトを失い、呆然とする生徒たち。

 それを見て好機と判断したテロリストたちは、反撃に出ようとした。


 それぞれに武器を構えて……

 あるいは魔法の詠唱をして……

 生徒たちを一気に制圧しようとする。


 しかし。


「……よくも」


 地の底から響いてくるような声。

 それを耳にしたテロリストたちは、ビクリと体を震わせて足を止めた。


「……よくもやってくれたな」


 声の主は……ユスティーナだ。


 大気が震える。

 空気が悲鳴をあげる。


 彼女の瞳が血のような赤に染まり、輝いた。

 足元から黒い霧のようなものが立ち込めて、体を包み込んでいく。


「ぐっ……」

「こ、これは……」


 テロリストたちは、蛇に睨まれたカエルのように動けなくなった。

 恐ろしい。

 睨みつけられているだけなのに死の予感を覚えてしまう。


「よくもアルトを……」


 火山の噴火のような怒りのオーラが放たれる。

 濃密な殺気が撒き散らされていく。


 ユスティーナが変わる。

 変わっていく。

 一人の女の子から、竜へ変身する。。


 全てを破壊して。

 全てを飲み込み。

 全てを無に返す。


「コロシテヤルッ!!!!!」


 激怒する神竜が降臨した。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
[一言] まさに竜の逆鱗に触れる最悪手
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