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352話 反撃開始

「今がチャンスだ、やるぞ!!!」


 俺たちは学生だけど……

 でも、ただの学生じゃない。

 竜騎士を目指している身だ。


 それなのに、テロリストに屈するようなことがあってはならない。

 武器を手に取り、戦うべきだ。


「……」


 生徒たちは、迷うように互いの顔を見る。


 ただ、それはほんの少しだけ。

 すぐに強い決意を瞳に宿して、闘気を身にまとう。


「そうだ、エステニアの言う通りだ!」

「学院が襲われた時も、俺達は戦ったはずだ! ここで、おとなしくしている理由なんてない!」

「こんな連中に屈するなんてダメ、私たちのせいで迷惑なんてかけたくない!」

「やりましょう、みんな! 私たちの手で、連中を倒すのよ!」


 武器はない。

 しかし、代わりに勇気と信念を持っている。

 それらは、時に信じられないほどの力を生む。


「お、おいっ、貴様ら!?」

「おとなしくしろ! 逆らうというのなら……がっ!?」


 俺が先陣を切り、テロリストの顎を蹴り上げた。

 うまい具合に脳震盪を起こしてくれたらしく、そのまま倒れ、気絶する。


 それが合図となった。


「おっしゃ、エステニアがまたやったぞ!」

「私たちも負けていられないわ、やるわよ!」

「「「いっけえええええっ!!!」」」


 みんなが突撃を開始した。


 武器がない?

 なら拳で殴ればいい。

 そんな感じでまったく怯むことなく、テロリストに立ち向かう。


 ただ、バカ正直に突撃をしているわけじゃない。

 三人一組となり、一人が攻撃、一人が防御、一人が支援と役割を分けていた。


 そのおかげで武器がなくても戦うことができて、しかも、負傷が少ない。

 なかなかに考えられた作戦だ。

 咄嗟にこんなことができるなんて、さすがだ。


「って、俺ものんびりしてられないな」


 できるならユスティーナと合流したいが……

 乱戦になってしまったので、それも難しい。


 今は、テロリストを一人一人倒して、確実に数を減らしていこう。

 ここを制圧できれば、外にいるアリゼーたちが遠慮なく暴れられるというものだ。


「このガキが!」


 激高したテロリストが斬りかかってくるものの、


「甘い!」


 集中力を乱しているから、剣筋を読むことは簡単だ。

 体を安全地帯に逃した後、反撃の拳を叩き込む。


 鼻骨を砕く感触。

 鼻血を撒き散らしつつ男が吹き飛んだ。

 でも、相手はテロリストなので、やりすぎたとか心配する必要はない。


「で……二人目!」

「くっ!?」


 隙をついて後ろから攻撃をしかけようとテロリストを、蹴りで迎撃した。

 さらに……


「これで……」

「3人目だな!」


 どこからともなく現れたグランが、その巨体を活かして体当たりをする。

 テロリストは思わず膝をついてしまい……

 示し合わせていたかのようにテオドールが姿を見せて、直上からの踵落としを叩き込み、昏倒させた。


「グラン! テオドール!」

「よっ、無事だったみたいだな、アルト」

「キミのことだから、なにかしら考えていると思ったが、まさか殴り込みをするなんてね」

「ははっ……二人共、無事でよかった」


 自然と笑顔が浮かんでくる。

 二人と握手をしようとして……


「アー……ルー……トッ!!!!!」

「うぐっ!?」


 ものすごい勢いで駆けてきたユスティーナに突き飛ばされてしまう。

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別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
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