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351話 強行突入、開始

 ガァッ!!!


 表の方から大きな炸裂音が響いてきた。

 ほぼ同時に聖堂全体が小さく揺れる。


 アリーゼ達による強行突入が開始されたのだろう。


「おい、なんだこれは!?」

「まさか、聖騎士たちが……」


 テロリストたちは目に見えて慌てていた。

 右往左往して……

 それから、思い出したかのように通信用の魔道具に手を伸ばす。

 たぶん、アシュレイの指示を求めているのだろう。


 連中の反応を見る限り、強行突入は想定されていないようだ。

 あるいは、されていたとしても、もっと先だった。

 だからこそ、ここまで動揺しているのだろう。


 好都合だ。

 慌ててくれればくれるほど、こちらはやりやすくなる。


「落ち着け、こうなることは予想できていただろう?」


 魔道具を起動して、連中の会話を盗み聞く。


「で、ですが連中、まさか本気で強行突入をするなんて……!」

「くそっ、人質のことはどうでもいいのか?」

「だから、うろたえるな。連中がバカなことをするなら、その対価を示してやれ。人質を適当に殺せ」

「し、しかしそれで止まるでしょうか……?」

「難しいな。だが、人質が犠牲になれば大問題だ。この国に、それなりの打撃を与えることができる」

「な、なるほど」

「あとは、盾として使い潰せばいい。人質なんて、その程度の価値しかない。俺達の本当の目的を忘れるな」

「わかりました!」


 かなり勝手な方向で話がまとまったようだ。


 ふつふつと怒りが湧いてくる。

 主義主張を振りかざすのは自由だけど……

 それに他人を巻き込まないでほしい。

 思い通りにいかないからといって、暴力に訴えないでほしい。


 連中は、駄々をこねる子供と一緒だ。

 都合が悪くなると暴れ、現実を受け入れない。

 望んだ結果になるまで何度でもやり直しを要求する。


 厄介極まりない。

 そんな連中に……


「好き勝手させてたまるか!」

「なっ!?」


 ダクトから飛び出した。

 こちらは完全に予想外らしく、テロリストたちが驚きに目を大きくして、硬直する。


 そのまま突撃。

 モップの柄を横に薙いで、一人目の側頭部を痛烈に打つ。


「がっ!?」


 一人目が武器を手放して、吹き飛ぶ。

 まだ意識は残っているが、追撃を仕掛けている時間はない。


 長剣を奪い、二人目に突撃。

 まだ冷静に戻れていないらしく、反応が鈍い。


 好都合だ。

 左手に握る長剣を振り、こちらも鈍器のようにして叩きつけた。


「ぐあ!?」

「貴様、いったいどこから!」


 二人目がやられたところで、残りのテロリストが我に返った。

 でも、遅い。

 いちいち叫んでいるヒマがあるのなら、すぐに攻撃するべきなのだ。


「ふっ!」


 右手に持ったままのモップの柄を投擲した。

 矢のごとく飛び、3人目の腹部を打つ。


 これで3人。

 どれも意識を奪いに至っていないが……


「白の迷い」


 倒されたテロリストたちは、イヴさんの魔法で眠らされてしまう。


 ある程度のダメージを与えておかないと、魔法の効き目は薄いらしいが……

 強制的に眠らせるとか、かなり強力な魔法だ。

 いったい、どこで習得したのやら。


「みんな!」


 俺は、人質となっている生徒たちに大きな声で呼びかけた。

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別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
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