表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
297/459

295話 おやすみ

 夜。

 これから寝ようというところで、


「あうー……」


 枕を両手で抱えたノルンが、ものほしそうな感じで、じっとこちらを見つめる。

 一緒に寝たい、の合図だ。


 ノルンは精神年齢が幼いから、ちょくちょくこんなことが起きる。

 最近は、それなりに慣れてきたのだけど……

 一人で寝ることは寂しいらしく、俺かユスティーナのベッドに潜り込むことが多い。


 一時期、何度も何度も俺のベッドに勝手に潜り込み……

 その度にユスティーナが怒ることに。


 それで、最近は勝手に潜り込むことはやめたが、こうして許可を求めるようになった。


「えっと……すまない。一緒に寝ることはできない」

「っ!?」


 少し前までなら、仕方ないと迎えていた。

 でも、今はダメだ。


 ユスティーナという彼女がいる。


 ノルンは、見た目の年齢はさほど変わらないのだけど、中身は子供だ。

 だから、あまり気にしないでいたが……


 それでも、彼女がいるとなると話は別だ。

 ユスティーナは良い気はしないだろうし、俺も、ノルンと一緒に寝ることに抵抗を覚えてしまう。


「あーうー……」

「う……」


 ノルンがとてもしょぼんとしてしまい、罪悪感が。


 ついつい、わかった一緒に寝よう、と口にしてしまいそうになるが……

 それではダメだ。

 心を鬼にして、もう一緒に寝られないことを伝えないと。


「ぅう……」

「うぐ」


 伝えないといけないのだけど……

 ノルンが涙目になり、早くもその決意は折れてしまう。


 いや、無理だろう?

 見た目はともかく、ノルンの中身は幼い。

 俺のことを親のように慕ってくれている。


 親と一緒に寝るのはダメ、これからは一人で寝なさい。

 なんてこと、なかなか言えるものではない。

 しかし、ユスティーナに対して不義理は働きたくないし……


 俺は、どうすればいいんだ……?


「うーん……そっか。実際に迎えるとしたら、こういう気持ちになるんだね」

「ユスティーナ?」


 一部始終を眺めていたらしいユスティーナは、なぜか、感心したような顔に。

 この光景を見て、なぜ感心するんだ……?


「迎える、というのは?」

「あ、アルトは気にしないで。こっちの話だから」

「ああ……」


 なんのことだ?


「えっと……それよりも、ユスティーナからも言ってやってくれないか? このまま、ノルンと一緒に寝るというのは……」

「うん、いいよ」

「……え?」

「ノルン、アルトと一緒に寝ていいよ」

「あう♪」


 思わぬところから許可が出て、ノルンが笑顔に。


 一方の俺は、唖然とする。

 ユスティーナは、けっこう嫉妬深い方なのだけど……

 それなのに、ノルンに許可を出してしまうなんて。

 こんなことは、今までに一度もなかったはずだ。


「ただ、ボクも一緒に寝るね」

「……なんだって?」

「ノルンだけなんてずるいよ。ボクは彼女なんだから、ノルンが一緒でもいいけど、彼女を最優先にすること!」

「それは、もちろんだけど……」

「じゃあ、みんなで一緒に寝よう!」

「わ、わかった」


 いったい、どういう心境の変化だろう?

 不思議に思いつつも、三人で並ぶようにして寝るのだった。

『面白かった』『続きが気になる』と思って頂けたなら、

ブックマークや☆評価をしていただけると、執筆の励みになります。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ