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266話 大乱闘

 まず最初に、ベヒーモスが突撃してきた。


 屋内であるということは、もはや気にしていないみたいだ。

 その巨体を見せつけるかのようにしつつ、ユスティーナに迫る。


 領主は、ベヒーモスならば俺たちを倒すことができると確信した様子だ。

 顔を青くしていた時とはうってかわり、笑みを浮かべている。


 実際、領主がそう思ってしまうほどの力をベヒーモスは持つ。

 その力は攻城兵器並。

 防御力にも優れていて、その皮膚は鉄のように固く、全身に鎧をまとっていると表現されることもある。


 さらに、機動力、耐久力にも優れていて……

 まさに生きる兵器。

 ベテランの竜騎士でも苦戦する相手だ。


 しかし、


「レイラ、卵をお願いね」

「わわわっ」

「そしてボクは……よいしょ」


 ユスティーナは、ベヒーモスの突撃をあっさりと止めてみせた。


 大軍を吹き飛ばし。

 城門を一撃で破壊して。

 上位魔法に匹敵する威力があるはずの突撃を、涼しい顔で止めてみせる。


「なぁ!?」


 領主が目を大きくする。

 その取り巻きである執事やメイドたちも愕然とする。


 15くらいの女の子がベヒーモスの突撃を止める。

 ありえない光景に驚いているようだけど……


 しかし、彼らは今さっきの言葉を忘れてしまっているみたいだ。


 こう見えて、ユスティーナは竜だ。

 しかも、最上位に位置する神竜バハムート。


 ベヒーモスは、確かに強大な力を持つ魔物ではあるが……

 神竜と比べれば赤ちゃんのようなもの。

 彼女をよく知る俺からしたら、この結果は当たり前のことで、驚くようなことじゃない。


「ど、どうした、ステファニー!? そのような小娘に負けるなんて、ありえないぞ! やれ、捻り潰してしまえ!!!」

「グッ、ウルルルルルゥ……!!!」


 飼い主の言葉に応えようと、ベヒーモスは足に力を込めるものの……

 しかし、ユスティーナは器具で床に固定されているかのように動かない。

 片手一本でベヒーモスの突撃を止めて、その力を完全に封殺している。


「うーん、キミは魔物だけど、そんなに悪い子じゃなさそうだね。命を奪っちゃうのはかわいそうだから、おしおき程度にしてあげる」

「グアァ!?」


 ユスティーナは、片手一本でベヒーモスを持ち上げて、


「せいや!」

「ギャン!?」


 くるっと反転させて、そのまま床に叩きつけた。


 ゴォオオオ! という轟音。

 ついでに、ベヒーモスの悲鳴。


「……は?」


 領主の間の抜けた声が響いた。

 とっておきの切り札が瞬殺されてしまい、あっけにとられている。


 今がチャンス。


「ふっ!」


 自ら敵の集団に飛び込み、先頭に立つ執事に拳を見舞う。

 こちらもあっけにとられていて、俺の攻撃をまともにくらい、吹き飛ぶ。


 こんな姿なので、さすがに槍は持っていない。

 ただ、基礎体術は学院の授業で学んでいる。

 動揺しているからなのか、今の俺でも十分に通用した。


「なっ、あ……」


 領主は口をパクパクとさせて……


「な、なにをしている!? 相手はたったの三人だ! 竜がいようと、これだけの数が揃っていれば負けるはずがない! いけっ、いけぇいっ!!!」


 領主の檄で我に返る執事とメイドさんたち。

 それぞれ隠し持っていた武器を手にして、攻撃を開始する。


 かくして……


 領主の館で大乱闘という、前代未聞の事件が始まるのだった。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
[一言] アルトが敵陣に突っ込むシーン、 脳内で「暴れん坊将軍」の殺陣のシーンのBGMが流れましたよ。
[気になる点] ベヒーモス、名前からしてメス(女の子)なのか?
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