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242話 VSユスティーナ・その4

 ユスティーナはあふれる闘気を圧縮。

 鎧のようにして、全身にまとう。

 その体は黄金色に輝いていた。


「ふぅ……はぁっ!」


 ユスティーナはリングを蹴り、それだけで石畳に大きなヒビが入る。


 そして……

 次の瞬間、彼女は目の前に移動していた。


 速すぎる!

 身体能力のリミッターを解除していたため、なんとか視認することができたものの……

 それでも、魔法かなにかで転移したようにしか見えない。


「くっ」


 今までも速かったけれど、今はそれ以上だ。

 リミッターを解除していなければ、なにも見えず、反応することはできなかっただろう。


 ただ……それでも今は、反応するだけで精一杯。


「まずは、これでどう!?」


 ユスティーナの拳がゴォッ! と唸る。

 触れるもの全てを打ち砕くかのような、必殺の一撃だ。


 今の俺は身体能力が最大限まで高められているが、それでも、体が頑丈になったとかそういうわけではない。

 直撃したら、その時点で終了。

 かすっただけでも、相当のダメージをもらってしまうだろう。


 なので、完全に避けることにした。


 必要な動きは最小限に。

 体を安全地帯へ逃して、ミリ単位の調整をして、ユスティーナの拳を避ける。


 体のすぐ横を拳が駆け抜けて……

 業風が巻き上がる。

 その感触に、思わず背中がゾッとした。


 ただ、怯えてなんかいられない。

 この恐怖、威圧感を乗り越えていかなければいけないのだから。


「はぁっ!!!」


 とにかくも、彼女のデタラメな機動力を封じないと話にならない。

 体ごと回転して、槍を横から左に振るう。


 突くのではなくて、鈍器のように叩きつける。

 そうすることで、ありったけの衝撃を送り込む。


「あわわわっ」


 ピクピクっとユスティーナの体が小さく震えた。

 うまい具合に衝撃が伝わり、脚が痺れたのだろう。


 チャンスだ。


 俺はユスティーナから距離をとらず、あえて懐に飛び込んだ。

 ほぼほぼゼロ距離。

 こんな状態で攻撃を繰り出されたら、ひとたまりもないのだけど……

 そこは賭けだ。


 槍の柄を跳ね上げて、ユスティーナの顎を強烈に打つ。


 今の彼女は人に変身をしている。

 つまり、弱点も人と同じ。

 どうやっても鍛えることのできない部分を狙えば、あるいは。


 うまい具合に脳震盪を起こしてくれればと思うが……その結果は?


「いっ……たぁ!?」


 ユスティーナは倒れない。

 賭けは失敗だ。


「うー、真剣勝負に納得したのは僕だけど、でもでも、好きな男の子にこんなことされるなんてちょっと複雑な気分! はっ、これがもしかして、ドメスティックバイオレンス!?」

「人聞きの悪いことを言わないでくれ」

「でもでも、勝負はボクが勝つんだからね! 一応、竜としてのプライドはあるんだから!!!」


 ユスティーナは半身に構えて、ダンッ! と片足を前に強く踏み出す。

 ぐぐっと力を貯めるようにしてかがみ込み、そして、こちらを強く睨みつける。


 全身を使った体当たりをしかけてくるつもりだろう。

 互いの距離はゼロ。

 逃げることはできないし、避けることも難しい。


 故に、ユスティーナは勝利を確信する。


「ふふーんっ、ボクの勝ちだよ!」

「くぅ!?」



 一撃でも当てれば、そこで勝負は決する。

 ユスティーナはそのことを理解していたらしく、あえて、俺の攻撃を受けて懐に誘い込んだのだろう。


 ユスティーナは、ダンッ! と力強く、さらにもう一歩踏み込んできた。

 そのまま、避けようのないタイミング、絶妙な距離で突貫してくる。


 それは、俺を確実に戦闘不能にする一撃だった。

 そして、避ける術も受け止めることもできない、絶対不可避の一撃だった。

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【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

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