表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
242/459

241話 VSユスティーナ・その3

「……あぶな!? でも、ギリギリセーフ!」

「いや、アウトだろう」


 槍はユスティーナに届いていた。

 刃は潰されているとはいえ、確かに捉えた。

 それなりの衝撃を与えたはずなのだけど……


 しかし、ユスティーナは平然としていた。

 驚いてはいるみたいだけど、ダメージを受けた様子はない。


 一度、互いに跳んで距離を取る。


「すごいね、アルト! 槍を投げてきた時は、ヤケになったのかなー? なんて思ったけど、全部、計算づくなんて」

「あれくらいしないと不意はつけないと思ったからな。ただ、不意をうまくつけたとしても、あまり意味はなかったが」

「うーん……褒めてくれているのはわかるんだけど、乙女としては複雑。ボク、鉄とかじゃないんだけど」

「体が頑丈とか……まあ、褒め言葉ではないか」


 それにしても……


 まいった。

 平常時の全力を出した。

 ユスティーナはガードできず、まともに直撃した。


 それなのに、ダメージはゼロ。

 かなり絶望的な状況だ。


「よーし、だいぶ体も温まってきたかも」


 しかも、まだ本気ではないときた。

 彼女の底は計り知れない。


 ユスティーナに勝つためには、やはり、アレしかないか。


「じゃあ……そろそろ本気でいくよ?」

「ああ、それを待っていた」

「なにか作戦が?」

「多少は考えているが……それよりも、全力のユスティーナに勝つことが目標だからな」

「楽しみにしているよ」


 ユスティーナが不敵に笑う。

 俺も笑う。


 こんな時ではあるが、いつも以上に心の繋がりを感じることができた。


「なら、俺も切り札を使わせてもらおうか」

「切り札?」

「はぁっ!!!」


 竜の枷の特訓で得た力。

 身体能力を100パーセント引き出してみせる。


 これでも、まだユスティーナに追いつくことはできない。

 それに時間制限があるため、なるべくなら使用したくなかったのだけど……

 ただ、こうでもしないと一瞬で勝負がついてしまうだろう。

 それほどまでに、彼女の全力は底が知れない。


「ボクの全力、受け止められるかな?」

「受け止めて……いいや。乗り越えてみせるさ」

「……やばいかも」

「え?」

「アルトがかっこよすぎて、その台詞だけでノックアウトされちゃいそう」

「いや、さすがにそれは……」


 あまりにも締まらない結末だ。


「ちゃんとがんばるよ。アルトは、全力のボクと戦いたいんだからね」

「ああ、その通りだ」

「なら、それに応えるのが未来の妻っていうものだよ!」

「えっと……」


 そうなることを望んではいるが、まだ違う。

 なんともいえず、コメントに困る。


「それじゃあ……いくよ?」

「っ!?」


 ブワッと、ユスティーナから圧倒的な闘気が放たれた。

 一瞬、気が遠くなってしまう。

 それほどの力、それほどの気。


 最大のピンチが訪れるのだけど……

 しかし、俺にとって都合の良い流れだった。

 事前に思い描いていた、ユスティーナに勝つ唯一のチャンスが舞い込んでくる。


「いくぞ!」

「うんっ!」


 最終ラウンドが展開される。

『面白かった』『続きが気になる』と思って頂けたなら、

ブックマークや☆評価をしていただけると、執筆の励みになります。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ