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4章 悪意の正体


「だ、たれ?」

目の前で悪意の含まれた言葉を発するこの男は髪は緑色で肩の辺りで結って下げている

顔にはモノクルをつけおそらく匂いの原因であろうタバコのようなものを吸っていた

そこは、そこだけ見れば普通だがそれを人間足らしめない部分が一部分だけあった

手が多いのだ、普通生えてる部分から普通の手が出ているがその下にいくほど腕が短くなってはいるが人より3対手が多かった

その生き物から発されるオーラが余りに悪意に満ちていて私は動けなくなる

「消えろと言ったはずだぞ芋虫!!それともわざわざチェシャに八つ裂きにされに来たのか!」

チェシャの一人称が代わりうーうーと唸りながら私を庇うように立った

「違うよ、私はアリスに助言をあげにきたんだ、それにしてもほんとうにダメな猫だねぇ、ナイト様ならそんなに泣かせないで一番いい選択肢を選んで笑顔にさせなきゃぁ?ねぇ?アリス?」

私は悪意に取り込まれそうで返事ができなかった

代わりにチェシャが叫ぶ

「見てたのか、、いったいいつから見てたんだ!!」

芋虫と呼ばれたそれは笑いながら返す

「そんなの最初からに決まってるじゃないかぁ、ほんとうにバカな猫だねぇ、そんなことにも気づけない!それで本気でアリスを救えるとか思ってるわけぇ」

くっくっくっと楽しそうに笑う芋虫に私は気づいたら怒鳴っていた

「チェシャのことバカにしないで!!見てたならわかるでしょ!?チェシャが助けてくれたこと、チェシャが優しくしてくれたこと!私の拾った記憶の欠片にはなかったことよ!」

「アリス..」

チェシャが驚いてこっちを見る

なにが面白いのか芋虫はさらに笑いながら叫ぶ

「アリス..ふふっ..やはり君は愚かだねぇアリス!毎回その猫に騙されていることにも気づけない!ああ、なんて哀れなんだぁ、ははっ」

「騙されてる..?」

私がチェシャに?どういうことだ?

「そうだよ!騙されてる!いつだって猫は嘘つきだからねぇ、記憶が勝手に砕けると思う?そいつは知ってるよ、記憶が砕けた理由を!ねぇチェシャ?」

チェシャが叫ぶ

「黙れ!!チェシャは芋虫が大嫌いだ!いつもいつも邪魔をする!!今回は誘導でもしてたのか!お前にチェシャなんて呼ばれる筋合いもない!!」

チェシャと芋虫の会話の間に私が入る

「ねぇ待って!チェシャ..?どういうこと?毎回とかいつもとか、今回はって?それに記憶が砕けた理由を知ってるって!!チェシャはわからないって言ってたよね..?」

チェシャが言う

「アリス!こいつの言うことなんか聞いちゃダメだ!」

芋虫の言葉は聞いちゃいけない、チェシャはいままで色々してくれたじゃないか、そう考えても戸惑いは大きくなる一方だった

「チェシャ..」

「まぁ、これぐらいで十分かなぁ?これ以上話すとほんとうにチェシャ猫に八つ裂きにされそうだし消えるとするよ、アリス、真実を知りたければここを真っ直ぐ進めばいい、猫さんは行かせたくないだろうけど、ここを進めばいつも通り終われるから、最後に最初に会ったときと同じ言葉をあげるよ、"今度は"上手くいくといいねぇ、じゃあねアリス」

芋虫は一方的にそう言うとタバコのようなものの煙に巻かれ消えていった

「今度は..」

私は呟く

チェシャが慌てて言う

「アリス!気にしちゃダメだ!こっちに行ってもろくなことはない!違う道を進もう!」

「チェシャは全部しってるのね..お茶会のときもこっちなら大丈夫、公爵夫人の家のときもこっちはあまり良くない記憶の欠片しかないだろうって..」

「アリス!」

「こっちの道もろくなことはないって、まるでなにが起きるか知ってるみたいに!」

「アリス..」

「行こう、チェシャ、私は真実が知りたい!チェシャに騙されてないって信じたい..」

そう言い私は芋虫に言われた道を歩き出す

「わかったよ..ボクはアリスの行きたいところへ最後までついていく」

先ほどまでと違いチェシャの足取りは重く私たちのあいだに会話はなかった、でも私は歩く、おそらく最後の記憶の欠片を拾いに..

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