とある社会人百合ップルの日常のひとコマ
「ただいまー。あー、疲れたー」
「おかえり千春。もうすぐご飯できるからね」
「おっ、悪いね作ってもらっちゃって。今日のご飯は何~?」
「茄子が安かったから、茄子とベーコンのトマトパスタにしてみたよ」
「ひゃっほー! 私それ大好き! ありがと咲織」
「フフ、どういたしまして。先に着替えてきたら?」
「うん」
「はい、どうぞ」
「わあ、美味しそー。いただきまーす」
「いただきます」
「……ん~、おいひぃ~」
「フフ、よかった」
「咲織はいいな~、料理上手で。私と違って女子力高いよね」
「そんなことないよ。私は千春の作る料理も好きだよ」
「でも私、回鍋肉くらいしか得意料理ないし……」
「私好きだよ、回鍋肉。久しぶりに食べたいな」
「あっ! じゃ、明日は私が回鍋肉作るね!」
「うん。楽しみにしてる」
「ごめんね洗い物やってもらっちゃって」
「ううん、いいよいいよ。ご飯は咲織に作ってもらったんだもん」
「じゃあ私はお茶入れるね。コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「では紅茶でお願いいたします」
「了解」
「熱いから気を付けてね」
「サンキュー。んん~、茶葉の良い香り」
「フフ、市販のティーバッグだよ」
「あはは、言ってみただけだよー。あっ、そうそう咲織、今年の夏休みの旅行はどこ行く?」
「え、今年? まだ気が早くない?」
「いやいや、こういうのは早く決めないと予約埋まっちゃうんだよ。去年のラスベガスは最高だったよね~。グランドキャニオンの絶景なんか、今でも目に浮かぶもん」
「確かにあれは凄かったね。千春がラスベガスのカジノで惨敗しなきゃ、尚よかったけど」
「うっ……。あれはゴメンて何度も謝ったじゃん。それより未来を見ようよ未来を! 私は今年はバリとかベトナム辺りのアジアンリゾートでまったりしたいなぁ」
「うん、いいね」
「咲織はどこがいい?」
「うーん、私は千春程海外に詳しくないから、千春に任せるよ」
「おっけー。ほんじゃまたいくつか私が候補探しとくから、後日プレゼンするね」
「うん、よろしく。私はお風呂沸かしてくるね」
「あ、咲織先に入っていいよ。明日も早いんでしょ?」
「そう? 悪いね」
「お待たせ、良いお湯だったよ。千春も入ってくれば?」
「う~ん、お風呂入るの面倒くさいにゃあ」
「そんなこと言わないの。ちゃんと入らないと疲れ取れないよ」
「はいはい、じゃあ入ってきますかね~」
「はー、さっぱりしたー。やっぱお風呂ってサイコー」
「フフ、さっきは面倒くさいって言ってたくせに」
「違うの! お風呂に入るのは好きだけど、その後が面倒くさいの! 髪の毛乾かすのとか時間掛かるんだもーん」
「でも、ちゃんと乾かさないと風邪引いちゃうよ」
「えー、じゃあ咲織が乾かしてよー」
「え、私が?」
「そう、お願ーい。はい、ドライヤー」
「……もう、しょうがないなあ」
「えへへー、そうは言いつつもやってくれるんだから、咲織は優しいよね」
「まったく、千春は本当に甘えん坊なんだから」
「咲織が甘やかすからいけないんだよ」
「またそうやって私のせいにして」
「はい、これで大体は乾いたよ」
「ありがとー咲織。はぁ、咲織の髪羨ましいなあ、サラサラで。私はくせっ毛だからなあ」
「そう? 私は千春の髪、好きだよ。可愛くて」
「ホントに? えへへ、咲織ー」
「え? ち、千春!?……んっ」
「んっ。……ちゅっ、んちゅ……ふ……」
「ふあっ……。ん……んふ……」
「ちゅっ、ちゅっ……、れる……んっ」
「んふうっ。……は、はふ……んふ……」
「ちゅっ……。――はあっ、ふぅ」
「はぁ……はぁ……」
「……ベッド行こっか」
「…………うん」
おわり