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零
むかしむかしのお話。
この世界は様々な種族の生物が暮らしていました。
しかし、
今あるモノに満足できない者たちが、領地。財。富。を求め、奪い合い。多くの血が流れました。
そんなある日、世界を覆いつくすほどの瘴気が突然現れました。
魔王が誕生したのです。
世界を覆いつくす程の瘴気は、空に輝く黄色い月を魔族の血のような紫色に染め上げました。
夜空を眺めていたエルフの長はいち早く魔王の存在に気づき、人間に助けを求めました。
紫の月を見て危険を察知した人間は、魔王討伐のために一人の勇者を仕立てました。
勇者の存在を知った他の種族たちも、魔王の存在。脅威を知りました。
勇者を元に、多くの種族が手を取り合い、
何万年にわたる種族同士の争いに終止符を打つことになりました。
人間の勇者。
神導師のエルフ。
戦士ドワーフ。
弓使いの精霊。
集いし四人がパーティを組み、魔王討伐へ向かいました。
──しかし、
勇者のパーティが魔王討伐から帰ってくることはありませんでした。
今宵も紫色に輝く月が昇っています。
──END──