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自分の事には無頓着な主人公、真冬が「なんとなく」とか「とりあえず」とか「仕方ない」とかで、色々な人の人生を左右する重要な場面に、望んでないけど出くわしちゃう話。
そ、そんなんで良いの?って感じに適当な真冬がとりあえずみんなを結果的にハッピーにしちゃう!コメディじゃないよ、学園青春ちょっぴり恋愛かもしれない小説になってます。
【個々の能力を活かすために学生主体の学校運営を心掛けている】
入学式前のリハーサルで校長先生が言っていた。
聞き手によっては自主性を重んじる学校なんだなと思わなくもないが、なんとも投げやりだなとも思える。
学校自体の評判も良い
制服も可愛いし格好良い
おまけに生徒の素行も悪くない
進路担当の先生に勧められて通うことになった。
その実、完全実力社会を模したような学校でその上、大きな行事でも生徒会を筆頭に生徒の総力をあげて催さている。
クラス構成は芸能クラス、特進クラス、普通科クラス、三分類となっている。
「朱雀中から来ました、竹取輝夜です」
「同じく朱雀中から来ました、浦島海人です。」
(あー、帰りたい)
師走真冬は、長く薄い青や紫にも見える髪を耳にかけ頬杖をつき小さくため息をこぼして自己紹介をしているイケメン二人をチラと見た。
やっぱり、ため息が出た。
この学校は特殊で顔が特別に良いとか、学力が秀でているとか、スポーツが人智を超えているとかが普通なのである。
こんな学園だと知っていれば、私はここに居なかっただろうな。
(もう少し案内パンフに目を通しておけばよかった)
自分のことには、無頓着で、与えられていた候補で学力的にも申し分ない場所を選んだ。
一応、選んだ。
学園の校風的なのは、すっ飛ばしていた。やらかしたな
今は学園の新入生として普通科クラスに配属された教室の自席に着席している。
各々が自己紹介をし交流をはかっている。
ふと、窓の外を見る。
春、季節としては嫌いじゃない。
少し肌寒さは感じるが日差しは暖かく窓際の席はきっと居心地のいいことだろう。
早く席替えしたい。
「なぁ!!!」
しばしの現実逃避を強制終了してきたのは、前の席に座る男子だ。
確か名前は、申九重であった筈。
黒髪に黒い瞳、人懐っこいイメージなのに、なにか危うさがある感じ。
「あいつら、顔も良いし名前も輝かしいな!!!」
「…そうだね」
初対面なのに、なぜそんなにフランクに話しかけてくるのか謎だが、たしかに彼の言うとおりだ。
まるで竹でも光りそうな名前に顔である竹取輝夜くんに、肌は日に焼けて浅黒く筋肉が制服越しでも隆起している男女にモテそうなのが分かる浦島海斗くん。
先ほどから何故か、イケメン二人がニコニコとコチラに視線を向けているのを真冬は遠い目をしてやり過ごしている。
(なんか面倒そうだから速攻で帰ろう)
そんな心で決めたことも「聞こえているぞ」と言いたげに、イケメン二人は真冬を見ていた。
背筋に悪寒が走った。
(風邪かな…はは)
そんな現実逃避も虚しく
入学早々のガイダンスが終了した瞬間にイケメン二人に捕まった。
「へぇ、四季家の分家たる師走殿のご息女は滅多に表に出ないと噂になる程だが、なるほど俺の方が美しいな」
開口一番に竹取くんが宣った。
左様ですね、私のような平凡な顔立ちと何故比べようと思ったのか。
【四季家】とは本家のことで、師走家の他にも分家は存在し全部で十二あるが、四等分したうちの三の家をとりまとめるのが師走家の役割である。
とりまとめを任されている分家には各々家督を継ぐ者の名に春夏秋冬の文字が与えられている。
師走家は【冬】の文字が充てられている。
また、四季家を含む分家も大きな家というより最早それは組織なので囲ってほしいという他家も珍しくない。
さらに竹取家や浦島家は所謂【物語家】と呼ばれており、名のある家ではあるが大きな力を持っているわけではないので言わばスポンサーを探すように囲ってくれる家を探すのだ。
(あー、帰りたい)
そんなことを思っているとずっと黙っていた浦島くんが真冬に話しかける。
「竹取がすまない、俺は浦島だ。水泳競技で国を代表する選手として選出されていたのだが、実は出資者として支援してくれていた家から契約をいきなり打ち切られてしまって急遽スポンサーを探している。四季家の分家の方がクラスにいると聞いて話が出来たらと思って来た。」
簡潔に分かりやすく要点をまとめ、そう話してくれる浦島くんだが要は師走家にスポンサーになって欲しいという事だろう。
実はどこの家が後ろ盾になってくれるかというのも大きなポイントで待遇の善し悪しも変わってくる。
なかでも四季家に名を連ねるものを最高峰に、得られる評価が順々に変わってくる。
当然、分家とはいえ師走家も大きな力を持っているが真冬は自分に関係のないことは是が非でも関わりたくないと思っている。
「そうですか、それは災難でしたね。ですが私は家の名代ではないので、そのようなお話を聞かされてもお力添えは致しかねます。」
あえて丁寧な言葉遣いをしたのは、クラスの女子が物凄いコチラを見ているからだ。
粗暴な発言をし後から暴言だのなんだのと問題にされるのを未然に防ぎたいという思惑もあった。
入学早々に真冬は平穏を諦めることになりそうだ。
「名代でなくとも、御父上にお話だけでも聞いていただけるように取り計らって貰えませんか。」
「私もさすがに今日お会いしたばかりの、よく知りもしない方のお話は父でなくとも出来ませんわ。」
「そら、そうだ!!!」
浦島くんと真冬の話に相槌を入れたのは申くんであった。
「俺も師走さんの言うとーりだと思うな!!!」
真冬に援護射撃をくれた申くんは更に重ねて言った。
「だからさ、師走さんが浦島のこともっと知れればいいわけでしょ!!!」
(んんん?)
「クラス配属間もない間柄だし、みんな仲良くしようぜ!!!」
援護射撃かと思ったら散弾銃だった。
あんまり考えずに書いているもんだから時系列が狂わないように気を付けます。obi




