第1章 「再会の時」
小説の内容を書きながら考えているので、投稿するまでに時間がかかります。
ご了承くださいm(_ _)m
章ごとに2話か3話構成にしようと思っています。
何処だ、ここ? やばい…完全に迷った。
ここは、知らない森の奥だと思う?多分、なぜ疑 問形なのかというと。
俺は、不知火佑、勇者になるために王都アカデミアに向かって順調に進んでいたはずだった。
昔から、そうだった、俺は極度の方向音痴で家から出てしばらく(家からそう離れていない)
すると、もと来た道が分からなくなり、しまいには、帰る方向とはまったくもって逆方向へ進んでいることなんかしょっちゅうあった。(これはもう方向音痴というより一種の病気なんじゃないか)
こんなところで悩んでいても仕方ないので、歩みを進めることにしよう。
「こんな所じゃ人に尋ねることもできそうにないしなぁ、まぁ、このまま進んで行けば、そのうち、どっかに着くだろ」
とりあえず、森の中をまっすぐ突き進んでいると、大きな湖らしきところに出た。
「あっ、あそこになんか、家っぽいのあるじゃん、ラッキー! とりあえず、あそこで、ここがどこなのか聞いてっと、できれば今日は泊めてもらうかな」
ただ、今は夜だ(しかも、月の位置からして真夜中)
「こんな時間に訪ねて行ったら、流石に迷惑だよな、仕方ない、今日はここで野宿するか」
――俺は、降り注ぐ柔らかな日差しで目覚めた――
まずは、湖の水で顔を洗い、その辺から拾ってきた、手ごろな長さの棒と程よい強度と長さのある木の蔓を使い釣竿を作り、湖の魚を釣って朝食とした。
そして、昨日見つけた、家のようなものに近づいてみるとドアにはOPENの文字がついており、看板にはこう書かれていた。
――「運命の館 Destny Books」――と。
――ガラガラ――
中に入ると、本棚がたくさん並んでおり、その中には、隙間なくびっしりと色々な本が並んでいた
「失礼しまーす、誰か居ませんか〜?」
「いらっしゃいませ、運命の館Destny Booksへようこそ」
そう言いながらカウンターの奥から姿を見せたのは、背が低く、艶のある黒髪でショートヘアのとても似合う可愛い女の子だった。
「ここ本屋だったんだ、あっ、そうだ急で悪いんだけど道を教えてもらえないかな?俺は、不知火佑って言うんだけど、道に迷っててさ」
「えっと〜、いいですけど、何処まで行かれるんですか?」
「勇者になるために、王都アカデミアまで行きたいんだけど」
「えっ! 王都アカデミアに行かれるんでしたら、方向が真逆なのですが?」
――えっ? 今、こいつなんて言ったんだ、真逆って言ったか――
「ちなみに、ここって、この地図でいうとどのあたりになるか分かる?」
「えっと、少し貸してもらってもいいですか?」
「おう」
「ありがとうございます」
私はとりあえず、地図を見ながら、佑さんに現在地と目的地である、王都アカデミアの場所を教えてあげることにしました。
それにしても、佑という名前、どこかで聞いたことがあるような気がするのですが、まぁ気のせいですよね、だって、あの人は三年前に行方不明になって以来見つかって居ないのですから
「えっと、今いる場所がここなので、来た道を戻っていただいて、東の方に向かっていただくと、徒歩でも四日間くらいで見えてくるはずですよ」
「来た道、来た道……えっと〜、俺どっちから来たっけ?」
「もしかして、記憶喪失か何かですか?」
「えっ、違うけど?」
――えっ、何なんでしょう、この人? 私、まったく、話しについていけていないのですが――?
「いやぁ、言ってなかったっけ、俺さぁ極度の方向音痴で来た方向もわからないんだよね」
「あぁ〜、そういうことですか、なら仕方ありませんね……ってなるわけないじゃないですか! 逆によくその状態で、ここまでたどり着けましたね。ある意味、奇跡ですよ!?」
「ほんと、自分でもそう思うよ」
「いやいや、感心している場合じゃないですよ、道もわからないのに、これからどうするつもりですか!」
「えっと〜、これまでどおり、ふらふらと?」
「それ、絶対着きませんよね、というか、着く気ないですよね! はぁ……仕方ありませんね、私が同行してあげますよ」
「えっ! いいの? でも、この店はどうするの? あと、初対面の人にそこまでしてもらうのは、気が引けるというか、それに、君の名前もまだ、教えてもらってないし」
「あっ、すいません申し遅れました、私は桜木結衣です、お店のほうは、御心配なく、どうせ開けていても、殆ど、お客さんも来ませんしね、それに、あなたみたいな人を一人で行かせられる訳がないじゃないですか! 一人で行かせたら、あなた、また、道に迷うでしょ? それに、こう見えても私、魔法使えるので、道中何かとお役に立てると思いますよ」
――桜木結衣か……どっかで聞いたことがあるような名前だけど、あいつがここにいる訳ないし、きっと、人違いだよな――
「えっ? てことは、結衣は魔法使いってことか? そんなに、ちっちゃいのに?」
「急に、下の名前で呼ばないでくださいよびっくりしたじゃないですか! あと、ちっちゃいは余計です! 確かに身長は140cmちょっとですけど、私、これでも、16歳ですよ!」
「えっ! マジで、俺と二つしか変わらないじゃん、俺はてっきり、12歳くらいかと思ってたよ……ごめんな、ロリッ娘」
「扱いがひどいですね、そんな態度なら、着いていきませんよ!」
「悪かったって、ごめんな、結衣」
「うぅ〜だから、下の名前で呼ばないでくださいって言ってるのに〜」
「分かったよ、じゃあ、これからよろしくな」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」
「じゃあ、そろそろ、行くか!」
「あっ、待ってくださいよ〜 あと、そっちは逆方向ですよ〜」
「佑さんが先頭を歩くと、いつまでたっても、目的地にたどり着けそうにないので、私が先頭を歩きますね」
「おう、じゃあ任せるわ、ロリッ娘」
――イラッ――
「ロリッ娘で呼ぶなぁー!!」
――彼女の怒りに呼応するように彼女の足下と目の前に魔法陣が展開する――
「おい! ちょっと、危ないだろ!」
――おいおい、あの娘本当に撃つ気だよどうしよ?――
「まぁまぁ、落ち着けって、俺が悪かったよ」
「そんな、適当な謝り方で私が許すと、思ってるんですか!」
「空よ大地よ大いなる自然の力よ、今こそ我がもとに集い我が力の糧となれ! 来れ地獄の業火よ!その熱で全てを焼き尽くせ! ヘルズインパクト!」
「おい!こんなところで、そんな技使うなよ、回りに被害が出るだろ!」
「そんなこと、分かってますよ! 元はと言えば、佑さんが、私をロリッ娘呼ばわりするから、いけないんですからね!」
「くっ! こうなったら仕方ねぇな、俺が止めてやるよ!」
――俺はそう言いながら、左手に力を込めると、彼女が作り出した、巨大な炎に向かって走り出した――。
「リミット解除!ジェネレート、水龍の剣」
俺がそう言うと、左手の周囲に青紫色をした粒子が集まり、剣の形を取りながら、収縮していく。
――その剣で彼女の作り出した、巨大な炎に切りかかると、勢いよく水蒸気を迸らせながら炎は一瞬にして消し飛んだ――。
「危ねぇだろ、もっと周りのこと考えてから撃てよな! これで、俺が消さなかったら、この辺り一帯の森が全部吹き飛んで、生態系が崩壊してたかもしれないんだぞ!」