僕の姉
こちらの300字ssの続きのようなお話です。
よろしくお願いします。
姉の知らない一面ーー300字ss
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僕の双子の姉は、何故か僕の写真を集めたアルバムを作っていた。
普段は素っ気ない態度なのに、アルバムには「弟、可愛い」などが書かれ、ハートマークまである。
僕は姉が何を考えているのか、さっぱり分からない。
とりあえず、表面上で分かっているのは、姉は絵を描くことが好きだということ。
僕は運動が好きで、特に走る事が得意だ。陸上部所属し短距離の選手をしている。
けれど、姉はもっぱらの文化系。走るのは苦手でいつも部屋に篭って絵を描いていた。
だから、今は美術部に所属している。
今日の練習も終わり、僕は姉を迎えに美術室に行く。姉はいつも熱中し過ぎると、時間を忘れて描き続けてしまう。
だから、僕が迎えに行って、区切りをつけてあげる。
「ねえさーん」
やっぱり、反応はない。……何を描いてるんだろ?
美術室には姉以外いない。けれど、部員達が描いていた作品はある。人物模写みたいに見える。
「姉さんは誰の模写?」
答えてはくれないと思いつつ、姉に聞いてみる。
案の定、答えは返ってこなかったが、僕は言葉を失った。
姉が熱心に描いているのは、僕の絵だ。
僕が一番集中している短距離走のスタートの姿。
スターティングブロックから足を離すか、離さないかの一瞬のシーン。
「……すげぇ」
「うわっ!」
「うおっ!?」
「な、何してんの!!」
「迎えに来た……。つか、僕の絵」
「ちょっ、見ないで!」
「なんでよ。いいじゃん」
姉は顔を真っ赤にしながら、絵を隠そうとする。
正直、とても綺麗だ。
僕の姿なのに、僕でないようにも見える。
「ほ、ほら! 帰るんでしょ!!」
「あれ、描かないの?」
「また明日!」
いそいそと絵を片付ける姉の顔は、まだ真っ赤だ。
「今度、大会あるから、見に来てよ」
「言われなくても、行くわよ!!」
「そんなに僕のこと好きだったんだ」
「うるさい!!」
セカンドバッグで尻を叩かれたけれど、それはそれで愛情表現なのかもしれない。
僕は姉の一面を、ひとつ知れた気がした。
読んでくださりありがとうございます。
続きが見てみたいと、言ってくださったため、頑張って捻り出しました笑
(しかし言ってもらったのが、だいぶ前のため、申し訳ない……)
これから、ゆっくり投稿出来るように、頑張ります。




