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短編集  作者: 山芋娘
23/24

僕の姉

こちらの300字ssの続きのようなお話です。

よろしくお願いします。


姉の知らない一面ーー300字ss

http://ncode.syosetu.com/n1612dl/18/

  僕の双子の姉は、何故か僕の写真を集めたアルバムを作っていた。

  普段は素っ気ない態度なのに、アルバムには「弟、可愛い」などが書かれ、ハートマークまである。

  僕は姉が何を考えているのか、さっぱり分からない。

  とりあえず、表面上で分かっているのは、姉は絵を描くことが好きだということ。

  僕は運動が好きで、特に走る事が得意だ。陸上部所属し短距離の選手をしている。

  けれど、姉はもっぱらの文化系。走るのは苦手でいつも部屋に篭って絵を描いていた。

  だから、今は美術部に所属している。

  今日の練習も終わり、僕は姉を迎えに美術室に行く。姉はいつも熱中し過ぎると、時間を忘れて描き続けてしまう。

  だから、僕が迎えに行って、区切りをつけてあげる。

 「ねえさーん」

  やっぱり、反応はない。……何を描いてるんだろ?

  美術室には姉以外いない。けれど、部員達が描いていた作品はある。人物模写みたいに見える。

  「姉さんは誰の模写?」

  答えてはくれないと思いつつ、姉に聞いてみる。

  案の定、答えは返ってこなかったが、僕は言葉を失った。

  姉が熱心に描いているのは、僕の絵だ。

  僕が一番集中している短距離走のスタートの姿。

  スターティングブロックから足を離すか、離さないかの一瞬のシーン。

 「……すげぇ」

 「うわっ!」

 「うおっ!?」

 「な、何してんの!!」

 「迎えに来た……。つか、僕の絵」

 「ちょっ、見ないで!」

 「なんでよ。いいじゃん」

  姉は顔を真っ赤にしながら、絵を隠そうとする。

  正直、とても綺麗だ。

  僕の姿なのに、僕でないようにも見える。

 「ほ、ほら! 帰るんでしょ!!」

 「あれ、描かないの?」

 「また明日!」

  いそいそと絵を片付ける姉の顔は、まだ真っ赤だ。

 「今度、大会あるから、見に来てよ」

 「言われなくても、行くわよ!!」

 「そんなに僕のこと好きだったんだ」

 「うるさい!!」

  セカンドバッグで尻を叩かれたけれど、それはそれで愛情表現なのかもしれない。

  僕は姉の一面を、ひとつ知れた気がした。

読んでくださりありがとうございます。

続きが見てみたいと、言ってくださったため、頑張って捻り出しました笑

(しかし言ってもらったのが、だいぶ前のため、申し訳ない……)


これから、ゆっくり投稿出来るように、頑張ります。

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