表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 山芋娘
22/24

言ノ刃

短編です。

死などの描写、言葉があります。

上記の描写、言葉などだけでも不愉快に思われる方は、回避してください。

  どういうきっかけか分からない。どこで発動するかも分からない。僕は言葉を発すると、現実に起こってしまう。どの単語で、どのタイミングかは分からない。だから、声を出すことを止めた。

  最初の言葉は「死ね」だった。高校生になってから、嫌なことがあると、「死ね」、「死にたい」と言うようになった。

  それがいつからか、相手に放つと操られたかのように、教室から飛び降りていった。それが何回か続いた。

  不慮の事故、嫌なことがあった。精神崩壊。死んでいった奴らはみんなそう言われた。

  でも、僕は分かってた。僕の言葉でみんな死んだことを。

  他の言葉もダメだった。ただ「麻婆豆腐食べたいな」って言っただけなのに、母さんは「そうね、麻婆豆腐がいいわね」って言いながら、作ってた料理を全て捨てて、料理を作り直した。

  今乗ってる車がボロくなったから、「新しいの買えば。ああいうヤツとか」と言ったら、「そうだな」って言ったと思ったら、父さんはすぐに車を売りに行き、僕が言った車を買ってきた。

  どのタイミングで、みんなが言葉に従うか分からなかった。怖くなって、話さなくなった。

  文字なら大丈夫だと思い、姉さんに「彼氏が浮気してるから別れた方がいい」と伝えた。普段なら「そんな事しない」と、反発してくるのに、「分かった。別れる」とすぐに彼氏と別れた。

  僕から放たれる言葉は、全てがダメなのだと思った。何も言えなくて、どんどん体に嫌なものが溜まる感じがした。

  ドロドロした嫌なものを出すには、声を出すしかなかった。「死にたい」その言葉が僕の最後の言葉だった。

深夜テンションで書ききりました。


バイトで嫌なことがあり、思わず言いたくなった言葉です。

でも、言葉は刃だということを知ってからは、言わないように心掛けています。

けれど、どうしても、勢いで言ってしまいそうになっていた時に、思いついたお話です。


皆様も気軽に使うような言葉ではないので、これを読んで少しでも控えるように、してもらえたらいいなと思います……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ