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待っていたのかもしれないーー300字
お題【訪れ】
300字ssとなります。
生贄などを扱っているため苦手な方は、避けてください。
pixiv URL:http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=7207192
森の中に一つの社があった。そこには産まれた時から人でないものを見ることが出来る少年が幽閉されていた。少年の足には鎖を繋がれている。
「暇だな」
人でないものも見えるだけで、言葉が分からない。だから、話せない。
そんなある日。村に住む男達が社に現れた。
あぁ、死が訪れた。ーー少年は男達を見る。
「子供よ」
「時が来た」
「お前も役に立つ時がな」
そう言うと、男達は少年の鎖を外し、少年に白装束を着せる。
変な服。ーーと、考えながらも少年は何にも逆らわずに着せられるままにしている。
「さぁ、一緒に来い」
少年は何も話すことなく、ただ男達の後に着いていく。
本当にこんな日が来ちゃうんだ。ーー曇天の空の下、少年は召された。