24話
「トール、ひどくない?」
剣から声が聞こえる。
「そうかな?死を覚悟してやがったけど、生きてるから良いんじゃない?」
「それはそうだけど……。 それで、私に隠してたのは、その身体能力強化と体内召喚?」
「うん、えーと、そう。ズルだし、見てよこの柄。これ、身体全体に描かれるんだぜ? きもちわるいよな? ごめんな」
「何言ってんの!? カッコ良いよ、柄! 三割増しで男前だよ!!」
……嫌われてない? しかもカッコ良い?
ヤバい。ちょっと泣きそう。
いや、泣くのは蹂躙が終わってからだ。
とりあえず、俺は周りに火を放った。
ウィルオーウィプスの特性は火。もともと火力の強い奴ではないが、俺の魔力を使えばかなりの火力だ。
体内召喚したとしても、俺が魔力を体外に出せないのは変わらない。だが、魔物と融合した俺は、半分が魔物であり、魔法を使っているのは魔物としての俺の部分だ。
劫火が周辺を焼き尽くす。
混乱したのか、一瞬動きを止めたカマキリたちは、次々と俺へ向かってきた。
そのまま相手にするのは非効率に過ぎる。
俺は再び飛び上がり、カマキリが密集してる場所の中心に降りた。
「ウィルオーウィプス!派手にやれ!」
俺を中心に火が広がってゆく。
あるものは岩に飛び乗って火をかわし、あるものは味方を踏み台にするも、かわしきれずに燃えてゆく。
自然に鎮火するまでしばし。
ほとんどのカマキリが全焼し、少しが半焼して間もなく死ぬだろう。
五体満足なのは少数と、カマキリの上位種らしき個体だった。
上位種は子カマキリの山で己を守り、少し焦げただけで済んでいるようだ。
まあ、一度防いだだけで関係ないんだけど。
俺は体内召喚の身体能力強化の上に、自らの身体能力強化を乗せ、一気に上位種の前に飛んだ。
右足での回し蹴り。上位種の頭は爆散した。
あ……討伐証明が……。
その後、生き残ったカマキリを殴り殺し、念のためにゴリの作った土壁の上から火を放ち、戦闘終了となった。召喚も解除。
めでたしめでたし。
で、終わらん。
俺は力尽き、ゴリのそばで膝を折った。
あれー?弱いのを召喚したんだけどなー。ダメ?と思いながら、俺は意識を手放した。
もっと練ろうと思ってたのを、練らずに放出。
これで本当に手元にストックがなくなりました。
多分4章は次で終わり。
「あれ?ネルいらなくね」みたいな話になるかな?
ここまでお読み下さったみなさん、ありがとうございます。




