17話
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ゴリは良い笑顔で「北の門から出てすぐに街道を外れて少し行ったところに、決闘向きの場所がある。明日の朝、そこに来い」と告げて去っていった。
嫌だこのゴリラ、場所までリサーチ済みじゃない。
冒険者同士の街中での私闘は禁じられている。これは街の住人に被害が出ないための規則だ。では街の外はというと、『自己責任』。ギルドお得意のやつ。集団で囲んで一人を攻撃するなどの犯罪性があれば、発覚すれば法で裁かれるが。
「めんどくさい!めんどくさい!めんどくさい!」
食堂兼酒場から自室に戻った俺は、ベッドにうつ伏せになり、足をバタバタしている。
人化したままのネルがそばに立っており、申し訳なさそうな顔をしている。
「ご、ごめんね。また私のせいで……」
俺はバタバタさせていた足を止めて、ネルの顔を見る。
「……反省した?」
「はい……」
「ならばよし!よっと!」
俺はベッドから飛び起きた。華麗に着地。
「どうせさ、この依頼中に一度は手合わせしろって言ってくるとは思ってたんだよね。少し早くなっただけなんだな」
今日までの三日も、さっきも、ゴリからは敵意を感じなかった。そして、休憩中なんかでも時折俺に話しかけようとしていた。決闘、手合わせ、なんて言うけど、実際のところ、「楽しそうだから遊ぼうぜ!」てことだ。ウザいけど悪い奴じゃなさそうだしね。ウザいけど。
「あの……じゃあ……私は……」
「無罪放免!けど気をつけなよ。本気で絡んでくるアホだっているんだから。あと、明日は剣にならなくて良いよ。遊ぶだけだし」
「はい……」
「さて、じゃあ、寝るか」
そして光の魔道具を操作して、灯りを消した。
ネルもベッドに乗って剣に姿を変える。
数分後、うつらうつらとしていると、ネルから声が掛かった。
「ねえ、なんでトールは本気を出さないの?」
「ん?いつも本気だよ?」
「そんなに大きな魔力を抱えてるのに?」
「魔法は使えないよ?」
「はぐらかさないで。私はトールの剣として、トールを知りたいの。知っておくべきなの」
しばしの逡巡。なんて言えばいいのかな?
「……人にはさ、人として闘って、人として勝ちたいじゃない?バケモノが人を襲うなんて、災害でしかない」
「トールは……人だよ?」
「うん、そうだね。ありがとう」
俺はそっと、隣に置かれている剣を撫でた。
「スケベ!イヤラシイ手つきで触らないでよ!」
なぜ……。
「おやすみ」
「うん、おやすみ」
(おきゃくさん、おたのしみました?)
どこからか、そんな声が聞こえた気がした。




