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愛剣ネルと俺のこと。  作者: TKM
3章 ゴリ?ポロリ?こりごり。
16/25

16話

3章終了まで3話連続で1時間ごとに投稿します。

食堂兼酒場である一階に下りると、なかなかに盛況だった。皆が皆、笑顔でメシを食ったり酒を酌み交わしていた。これは期待できそうだ。


空いている席に座り店員さんに注文する。受付の子のお母さんだろうか、どことなく似ている気がする。

少し待っていると、料理が運ばれてきた。パン、何かの肉の入ったシチュー、川魚の香草焼きと、水で薄めたワインが宿泊者向けのセットだ。ネルの希望でワインを一本追加する。


一通り食べ終わった後、ワインをちびりひぢりと呑んでいると、ネルから質問があった。

「ねえ、トールはなんで今回の依頼を受けようと思ったの?」

「割が良い、てのはあるな。この依頼自体で報酬が出るし、この依頼で狩った魔獣の素材は、少しだけ割高で買い取ってもらえるし」

「他の理由は?」

「この依頼が、文字通り『依頼』だから。ギルドから俺宛のね。こういうのをこなしてギルドへ貢献することで、ギルドランクが上がるんだよね」


ギルドランクというのは、ギルドに登録している冒険者のランクだ。その人の戦闘能力とギルドへの貢献度を加味して上がっていく。

ギルドから出される依頼にはランクが設定されており、自分のランクに応じた依頼を受けることになる。

基本的には掲示板に貼ってある依頼を自分で選ぶのだが、今回のように、ギルド側が「達成可能」と判断した場合、ギルド職員から直接声がかかることがある。これを受けると、他の依頼よりも貢献度を高く計算してくれるのだ。

規則上は『自己責任』の名の下に、例外はあれどどんなランクの依頼も受けられるが、ギルドから良い顔をされない上に、ランクの乖離が大きいほど、失敗に課される罰金を含むペナルティが大きくなる。無謀な行いは最悪命を落とすのだ。ペナルティで済めば幸運だろう。

ランクは下から順に、鉄、銅、銀、金、白金、黒、朱とあり、朱を除くそれぞれが五段階に分かれており、数字が低い方がより高位ということになっている。

鉄はほぼ初心者で、冒険者としても半端と見なされるが、普通にやっていればそう時間もかからずに銅には上がれる。そして、銅になると、とりあえず冒険者として扱われることになる。朱には段階がなく、その認定を受けるということは、単独で国さえも落とせる人外だと認定されるに等しい。この国で数人しかいないんじゃないかな?そんな認定、俺はお断りだ。


「ちなみにトールのランクは?」

「銅の2」

「低っ!ちなみにあのゴリは?」

ネルが自分の斜め後ろを指差し、そちらに目をやると、ゴリがいた。あ、やばい。目が合った。無視!無視だ!

「銀なはずだけど、段階までは知らないな。というかネルさんや、人を指差すのはやめなさい」

「あれで銀?トールよりずっと弱いのに?トールの本気を見たことがないけど、本気じゃないトールよりも弱いじゃない。ランクって強さは関係ないのね」

これはまずい。俺は巨大な物体が接近してくるのを目の端で捉えていた。

「ネルサンヤ、ネルサンヤ、ソンナコトナイヨー、ボクハイツモゼンリョクゼンカイサ!ギンノヒトニハ、マッタクカナワナイヨー。ハハハ」

「よう、トール、聞いてたぜ?俺よりずっと強いんだってな。俺もお前と手合わせしたかったんだよ」

ゴリが肩を組んできた。重い。暑い。でも石鹸の香り。


なぜこうなる。


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