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愛剣ネルと俺のこと。  作者: TKM
3章 ゴリ?ポロリ?こりごり。
12/25

12話

3章開始です。

楽しんで頂ければ嬉しいです。

よろしくお願いします。

決闘騒ぎの当日は、前日の疲れもあってダラダラすごした。

そして翌日、ネルと朝食を食べている時だ。

「ネル、蓄えはあるから焦って仕事をする必要はないんだけど、なにかしたいことはあるか?三百年ぶりの外の世界なんだし」

そう問うと、ネルは少し考えてから口を開いた。


「トール、買い物に行きたい。洋服とか、下着とか……」

「!!!」


俺は衝撃を覚えた。何をやっていたんだ、俺は!こんなに可愛い子を着の身着のまま連れ回し、こんなに恥ずかしそうな顔で下着をねだらせるなんて!男として、むしろ人間として、こんなにダメなヤツはいない!


「というか、ネル、着替え必要なの?自浄効果あるよね?」

「もちろん、気分の問題よ。せっかく外に出られたんだし、オシャレもしたいなーって」

ですよね。でも、重要だよね。こんな可愛い子に同じ格好をさせているなんて、世界の損失だし。


そして現在、ネルのファッションショーを見学している。

出会ったときから着ているのは暗めのトーンの赤いワンピースだ。同色の髪の色も、それよりも明るい瞳の色とも合っていて、とても似合っていた。

しかしどうだ。白い服を着れば髪の色や瞳の色がさらに映え、黒い服を着れば手足の白さが引き立ち妖艶だ。

そして、着替える度に「どう?変じゃない?」と不安げに小首を傾げるその仕草たるや、筆舌に尽くしがたい!


ひとしきり着替えを楽しんだあと、ネルは「どれにしようかなー」と選んでいたが、俺は言った。

「今着たのを全部くれ!」

女の服は高い。今後一年間、俺はネルの姿をオカズにしてパンを食べる所存だ。変な意味でのオカズではない。決してない。

いや、子供の夢を壊すのは悪いから訂正しておくと、冒険者はそこまで薄給ではないよ。人によるけど。


次に下着屋に行き、上目使いで「一緒に選ぶ?」と問われたが、そんな罠にかかる俺ではない。「うん!」なんて意気揚々と店に入ったのなら、ネルからは「本当に入るんだ?」と冷たい声で罵られ、店員からは「なにこの美少女のストーカー。衛兵さん呼ぼうか?」とかヒソヒソ話をされるに違いない。

俺はネルに服の値段と同等以上のお金を渡し、一人で買ってくるように頼んだ。

結局、非番だった門番さんが通りがかって「トールさん……下着屋の覗きはダメですよね、人として。トールさんがクズで童貞なのは知ってますけど。臭っ!なんか臭う!童貞の臭いだ!」と誤解を受けてしまった。

出てきたネルに誤解を解いてもらった上に、「待たせてごめんね。三組買わせてもらった。ありがとうね」と微笑まれて、俺は嫌な気分をすっかり忘れたのだった。


それから、昼食を屋台の食べ歩きで済ませたり、日用品を買ったり、茶屋で休憩したりして過ごした。


宿での夕食の時間。

「今日は楽しかった。トールもなかなかやるじゃない!私、男の人と二人で出かけるのって初めてだったんだけど、凄く楽しかったの!」

「ん?勇者ファタールさんとは出掛けなかった?」

「そりゃ、二人で出かけたことはあるわよ?でも、アイツ、女の子だし」

……なんとまあ、あっさりと判明した新事実。

証明できたら歴史が変わるな。


「えっと、その前は?」

「ナイショ!秘密が多い方が良い女だってファタールが言ってた」

ネルはそう言って悪戯っぽく笑った。

女の子の過去を暴くのも野暮だしな。やめておくか。

俺は出会って三日目の女の子にすっかり操られているようだ。


まあ、いいか。


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