表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛剣ネルと俺のこと。  作者: TKM
2章 復讐?復習?副収入?
10/25

10話

宿に戻った俺たちは、遅い朝食を食べていた。固いパンと野菜と少しの肉が入ったスープとサラダだ。スープの味が優しくて、ほっとする。俺、塩っ辛いスープは苦手なんだよね。


「さて、朝食も終わったことですし、少し復習しなきゃいけませんね、ネルさん」

「はい、先生。なんでしょうか?」

朝食が済み、女将さんが食後のお茶を持ってきてくれたので、お話の始まりだ。


「確かに、あの貴族に腹が立ったのは俺も同じですが、決闘になった原因は誰ですか?」

「わ……私です……」

「ですね。では、その原因さんは、決闘中、どこにいましたか?」

「観戦席です……」

「ですね。なぜ観戦席にいたのですか?」

「観戦した方が面白そうだったから……」

「面白そうって……。あなたは俺の剣なはずです。十全な状態でない剣で闘って、俺が負けるとは思いませんでしたか?」

「あ、それはない。あんなのにトールが負けるハズがない」


あっさり。負けるハズない、か。その信頼が少し心地良い。

それなら、まあ、いいか。と思ってしまった俺の負け。


「……次からは、闘う時は一緒にいて下さい。じゃないと、他の剣に浮気しちゃうからねっ!」

ちょっと可愛く言ってみた。浮気って、恋人でもないし、ましてや剣にって。言った自分が恥ずかしいわ。


「ぐずっ……ぐずっ……」

おや?ネルの様子がおかしい。


「ごべんばざいっ!!ごべんばざいっ!もうじまぜんがら!ほがのげんば!ほがのげんびばべば!ごべんばざいっ!」


泣かせてしまった。盛大に。

どうやら、「ごめんなさい、もうしませんから他の剣にだけは!」と言いたいようだ。


なんとかなだめて、落ち着いたネルに詳しく聞いてみたところ、ようやく見つかった新しい持ち主の、メインウェポンであるところの剣の座は譲り難いらしい。例えばサブウェポンとして他に槍や短剣を持つのは構わないし、実際に前の持ち主である勇者ファタールさんは複数の武器を持っていたが、みんなが仲良くできていたらしい。

……みんなが仲良く?


「ネルさんや、ネルさんや、みんなって、勇者ファタールさんの武器は、みんなネルみたいに話すのかい?」

「え、うん。武器というか、武具?武器のみんなも、防具のみんなも話してたよ?」


なんとまあ、あっさりと判明した新事実。最終的に一人で魔王を倒したといわれるファタールさんは、実は一人大所帯という不思議な現象に遭遇していた!


「他の子も欲しい?」

「いや、話してはみたいけど、ネルだけで充分だよ」

俺がそう苦笑すると、ネルはとても嬉しそうに笑った。天使の笑顔だね。やっぱり可愛いな、とは思うけど、違うんだ、ネル。そんな大所帯を養う甲斐性は持ち合わせてないし、ネル一人にも振り回されているのだから。

言わないけど。


「まあ、必要になったら迎えに行こうね」


必要になったら……?

ネルからの意味深な一言でこの会話は終わるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ