1話
初投稿のため、システムに不慣れです。
矛盾指摘、誤字脱字、アドバイス、お待ちしております。
1章6話まで、1時間ごとに予約投稿します。
宜しくお願いします。
……見つけた。ついに見つけてしまった。このダンジョンの奥深くで。
「ふはっ……ふはははは!」
笑いが止まらない。今まで俺を馬鹿にしてきた奴らに一矢報いることができるのだ。
俺は、魔力はあれども体外に放出することができない。よって、炎を飛ばしたりだとか、風の刃で斬りつけるなどの魔法を使うことができないのだ。つまり、俺は武器や体術による斬撃や打撃でしか相手にダメージを与えることができない。
そんな俺に対し、奴らは『物理攻撃無効』や『物理攻撃反射』などの障壁を張り、笑いながら攻撃してくるのだ。
散々苦渋を舐めた。己より劣る剣術しか持たぬものに敗れ、悔し涙を流したことも数え切れない。
しかし、見つけてしまったのだ。
何を見つけたのか。
『物理攻撃無効』や『物理攻撃反射』の障壁さえ突破してダメージを与えられる魔剣だ。
折れない、曲がらない、錆びない、そして、斬れない。
これさえあれば俺は–––
「なに一人で笑ってんの。キモいんですけどー。頭に何かわいてんの?アンタ、モテないでしょ?キモいもん。もしかして童貞?童貞よね?あははは」
さらに、しゃべる。なおかつクチが悪い。
「……」
俺は無言で剣を地面に叩きつけた。
「ちょっと!私は壊れないわよ!?けど、いくら壊れないからって、痛……くもないけど、不快なんですけど!謝罪と賠償を要求するわ!」
俺は地面に座り込み、放り投げた剣をただ眺めた。
まだ何事かをキーキーわめいているが、俺の脳はその言葉を理解することをやめた。
……どうしよう。この剣は斬れないことは別として、俺の求める性能を持っている。しかし、こんな剣と四六時中一緒にいては、俺の精神がやられてしまう。
剣の性能と己の精神を天秤にかけるこど五分程。剣からのわめき声も止まっていた。
よし、残念だが、埋めよう。見なかったことにしよう。きっと世界のどこかには、同じ性能を持つクチの悪くない剣もあるさ。むしろしゃべらないで欲しいな。
そう決心し、腰を上げようとした時だ。
「ごめんなさい」
涙声で剣が謝ってきた。
「ごめんなさい。ここに封印されてから初めて来た人間だったから、調子にのりました。もうここに一人でいるのは嫌なんです。連れて帰って下さい」
涙声の女の子(?)を無視もできず、少し話すことにした。
「……分かった。謝罪は受け取る。けど、連れて帰るかは別。なんで封印なんぞされていたのさ?」
実は今は剣の姿だけど魔王でした!地上に出たら復活して災厄を撒き散らせちゃうぜ!ヒャッハー!
とかだと困る。困るというか滅ぶ。
「アンタ、ファタールって名前の人間を知ってる?剣神とかって呼ばれてた」
「剣神?ファタール?あの勇者ファタールのことか?」
三百年以上も前、魔族や魔獣を引き連れて、魔族以外の種族を滅ぼそうとした魔王がいたらしい。それを最終的に倒したのが、勇者ファタール。俺も絵本でしか知らないけど。
「三百年……そんなに経ったんだ。多分そのファタール。もともと私はアイツの武器の一人だったんだけど、アイツが死んでから、元魔王の配下の魔族に盗まれてここに封印されちゃったんだ」
「お前、凄い剣なんだな」
「そう。凄いのよ。だから連れて帰って!」
「……」
俺は考えた。凄い剣らしい。そして俺の求める性能を持っている。出会い頭はアレだったが、今は暴言を反省している。そして、普通に会話が可能。
もちろん語られた内容の全てを信じるほどお人好しではないし、面倒事が待っていそうな予感はある。しかし少なくとも嘘をついているようには見えなかったし、思ってしまったんだ。
まあ、いいか。って。
「分かった。連れて帰る。俺が持ち主になるって事で良いか?勇者様と比較できるようなたいそうな人間じゃないけど」
「良いの!?もちろんアンタが持ち主でいいのよ!ご主人様!」
そうして、俺はこの剣を連れて帰ることにしたのだが……
「そういうことで、ご主人様、私と契約して」
え?契約?




