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僭王記(旧)  作者: 玉兎
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なろうコン用あらすじ

 時に統一暦六三〇年、自由都市ドレイクには眉を赤く染めた凶賊の集団が暴れまわっていた。その外見から緋色の凶賊――緋賊と呼ばれ、怖れられていた彼らを率いていたのは、まだ二十歳に満たない青年であった。

 青年の名はイン・アストラ。後に僭王と呼ばれることになる人物である。


 シュタール帝国とアルセイス王国、二つの強国に挟まれた自由都市は、繁栄の裏側に色濃い闇を宿していた。ある者は帝国の意を受けて動き、ある者は王国に従わんと画策し、またある者は自由都市を他国の頚木から解き放たんと志す。幾つもの、あるいは幾十もの思惑が蠢く中で、緋賊を率いるインは独自の目的をもって動き出す。

 他の誰でもない、自分こそが頂きにたどりつくために。もう二度と、他者の下につくことがない場所へ至るために。


 少しずつ、しかし確実に、緋賊の行動は自由都市の根幹を揺り動かしていく。

 風雲急を告げる情勢の最中、インの耳にシュタール帝国で勃発した内乱の報が届けられる。強大な帝国の動きを封じる好機。インは腹心に後のことを託すと、少数の部下を引き連れて帝国へと潜入する。

 インにとっては故郷とも呼べる地への帰還でもあった。


 シュタール帝国が内乱によって身動きがとれなくなれば、かならずアルセイス王国が動き出す。アルセイス王国が動き出せば、自由都市ドレイクはかつてない混乱にさらされる。

 それがインの目論みであった。帝国に潜入したインは小さな叛乱を燎原の大火とすべく策動し、この動きはやがて強大な帝国を震撼させる一大事変へとつながっていく。

 同時に、それは大陸規模の動乱を招いた僭王出現の前触れともなる出来事だった。


 後に大陸史は僭王イン・アストラを指して次のように記す。

『けだし僭王はただ一身に聖賢、豪傑、盗賊を兼ねたり』

 この物語は一人の青年がいかにして僭王と呼ばれるに至ったかを記すものである。

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