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7匹目:ゲルスライム

ブラウザが閉じて書き直すこと三回……ついに書き上げたぞ!


やる気が蘇るのに数週間を要した。

 新たに仲間になったファイを一先ず収納して俺は現状を確認した。

 まずは時、とっぷりと日も暮れて頭上にはデカデカトお月さんが輝いている。

 次に場所は相変わらず、イーグルの巣。切り立った崖の上に存在するため脱出は困難。


 そしてメンバーは俺とレイとブルームだが……そのブルームの様子がおかしかった。

 いつもはプルプルと震えて愛らしい透き通ったその体で俺を楽しませてくれるというのに、今は気色悪いほどブルブルと激しく振動しており体内に沢山の気泡を作ってはまるで沸騰した鍋のお湯のようにボコボコと空気を放出していた。


 ――――マスター、どうやらブルームは進化するようです。


 進化? ……って何だ?


 ――――進化とは生物が環境に適応するために世代を重ねて姿を変えることですよ。そして魔物の場合それはレベルの上昇や特定の環境下などにおいて条件を満たすと可能になる変化の事でブルームの場合は先ほどのイーグルの雛たちを倒した事によってレベルが上がったのでしょう。


 へぇ……それにしても長すぎないか? かれこれ一時間近くブルブルしてるんだけど。


 ――――マスターの持つイメージが酷く仮想遊戯向け思考であり一瞬にして姿が変わることを期待されているようですが、我々魔物の進化とは本来世代を重ねる進化を基に一つの命の内で成せる奇跡ですので少しずつ時間をかけて変化するのですよ? ……一部例外もいますがブルームはまだ早い方ですよ、この先シロ達なんか動物系の魔物はもっと日数(・・)がかかりますよ。


 と言われても、俺が進化するわけじゃないしな……俺は気長に終わるのを待つだけだ。


 ――――幸い変化はもうすぐ完了するようですよ?


 おや? ブルームの様子が……。


 沸騰のようなボコボコが収まったと思ったらブクブクと大きめの気泡がブルームの頭頂部から吹き出して、ニョキッと二本の棒状のパーツが生えた……ウサミミ? かと思ったがすぐにペタンと後ろ……まあスライムなので前後があるのかは知らないが、俺から見て正面の後ろ側に倒れたそれを見ると耳というよりツインテールと思わしき物体だった。


「ブルーム、大丈夫か?」


「はい、ご主人様……清々しい気分です」


 ぴょこんと一跳ねしてみせる、なんだか前よりハキハキ喋れているし大丈夫そうだな。


 ――――マスター、新しいブルームの情報を開示します。


 《図鑑番号・八》

『ゲルスライム、粘体魔物、属性:水・風。』


 《個体情報》

『名前:ブルーム、性別:♀、レベル:十六、特性:雨降、性格:慎ましい、技能:熱湯、守る、水鉄砲、高速回転』


 ゲルスライムか、形状が変わっただけに思えるが属性が増えている他に特性や性格なんてのも変わっているし、技能もかなり変わっているな。


「この高速回転ってのはなんだ?」


「ご覧になります?」


 そう言うとブルームは俺の頭に跳ね乗って触手なようなもので俺の体に絡みつくと耳のような部分を捻り高速で回転させ始め――――俺の体が浮いた。


 ――――これで風に乗ればここから脱出できますね。


 そう上手くいけばいいが……。


「ご主人様」


「なんだ?」


 俺がブルームの声で状況を確認すると、時すでに遅し……伏線でもフラグでもなく俺はイーグルの巣から脱出していた、厳密に言えば切り立った崖の上で気流が激しかったせいかいつの間にか流されて、深い谷の上を風に揺られて彷徨って居ましたとさ。



 ――――続きます。

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