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6匹目:ロビン/駒鳥魔物/属性:火・風

2016/02/12ちょっと増量。

 屋根よーりー、たーかーいー……俺ですけど?

 人工物は今のところ見たことがないので実際のところ屋根より高いかは分からないけど、とにかく俺は今……空を舞っている。イーグル(♂)に連れられて。

 全裸を鋭い爪で掴まれているのでちょっと刺さりかけていて痛いんだけど、もっとマシな掴み方はなかったのか。


 ――――この後はどうするのですか? マスター。


状況に流されっぱなしというのはよろしくないとは思うが、だからといって今の俺にはどうしようもない。

(無論巣まで行く、流石に巣に行くまで食われることはないだろう。それに巣に行けば……)


 ――――なるほど、そこで奥さんを寝とるのですね。


独身かもしれないけどな……けど今ここで俺が食われないのは巣に生きた新鮮なまま持ち帰りたいからなんじゃと思う、つまり巣には子供か何かがいる可能性がある。

(いやいや、なんでそうなるかなぁ……ほら、可愛い雛鳥が居るかもしれないじゃん? そんでお父さん、娘さんをくださいって感じで)


 ――――ロリコン? どちらにしろこのイーグルにつつかれる事は確定ですね。


ロリコンではない……いや確かに餌待ちの鳥の雛なんて人化した日にゃ幼女とかになりそうだけど。

(なんか辛辣じゃないですかね、レイさん……)


 ――――進んで危険な目に逢いに行くマスターなんて知りません。


レイなりに心配をしてくれているんだろうか、けど今更そんなこと言われたってどうしようもない。

(悪かったよ、けど今はどうしようもないじゃん……とにかく巣までは行くぞ)


 ――――了解です……いざという時は私を盾に、レベルだけは高いのでちょっとやそっとではどうにもなりませんから。


確か百だったっけか、レベルの情報は表示されるけど攻撃力とか防御力的なステータスはないんだろうか?

(いやそれはちょっと……股間で攻撃を受け止めるのは心の準備が必要かな)



 十数分後、ようやく巣に着いたようだが巣と思わし所には魔物がうじゃうじゃいた……全部雛鳥のようだ。

 上を向いて必死に嘴をパクパクさせている、大きさ的に俺を丸呑み出来るようなものではなく少しずつ啄まれるしかなさそうだ。


 ――――如何なさいますか?


(とりあえずあのスペースだと誰も呼べそうにないなー)


 ――――ここはブルームを推薦します、彼女ならば場所は選びませんし。それに一応一羽ほど可能性がありますね……娘さん。


「マジか、ちょっとやる気出てきたな! よーし『ノマソレド・ブルーム』!」


 俺の股間が火を吹くぜ! って言っても吹くのはレイさんで出るのは火じゃなくてブルームだけど。股間から出たビームにイーグルパパは驚き、巣の真上で掴んでいた俺を離しどこか遠くへ飛んでいってしまった。

 落下する俺……よりも早く魔法陣から現れたブルームが先に巣に突入する。

 そしてブルームは雛に啄まれ散り散りになってしまった。


「っておい、ブルームぅぅぅ」


 俺は叫びながら巣に着地した、ブルームが雛を引きつけてくれたので俺は安全に着地できた。

 どうする――――ブルームの事が気がかりだが、生き延びるためには次の魔物を召喚しなきゃならない。

 アゲハは餌だし、メリーは寝てるだろうし、シロを出すしかないか……けどこの数を一度に相手できるだろうか?


 ――――マスター、ブルームはまだ生きています。敵をよくご覧下さい。


 レイに言われ雛鳥たちを見ると皆いきなりもがき苦しみだした、羽をばたつかせ、目玉をぐりぐり回しながら最後には口から泡のようなものを吐き出して……一体何が起こったのか。


 ――――恐らくですが口から侵入したブルームが肺に詰まって窒息死したのではないでしょうか?


 えげつねぇ……おっと窒息死した雛鳥の口からブルームの欠片達が這い出てきて一つに集まった。


「ご主人様、無事?」


「おー助かったぞ、後、心配したから今度からそういう方法は辞めてくれ」


本当に食われちまったかと思ってひやひやした。


 ――――自分から敵地に連れて行かれた人が言うことですか。


(すいません……)



 ――――さて、マスター……反省はそこまでにして、新たなる仲間を迎える準備を。


(え?)


こんな死屍累々の中で生き残りが居たのか? ブルームさんは無差別に皆殺しにしていたような気がするんだが。


 ――――わざわざブルームがその子だけ死なないようにしてくれたんですよ?


 そう言われて見てみると雛鳥に混ざって全然違う色の種類の違う鳥の雛がそこに居た。


(本当だ、ありがとうブルーム。よくやった!)


 ――――ロビン(火毛種・♀)を仲間にしますか?


(もちろん……っていうか本当に別種だな、ロビンってなんだっけ? コマドリだったか)


 ――――ロビン(火毛種・♀)は仲間になった! ……ロビンに名前を付けますか?


燃え盛るような赤い羽毛、オレンジ色に煌く瞳は燃える炎のようだ。見た目から察するに……。

(どうも火属性っぽいしなファイア……よし、ファイにしよう)


 ――――ファイは喜んでいる! ……けれど相変わらず安直ですね。



 レイさんの一言が心に刺さるよ!

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