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24匹目:キマイラ

 現れたのは――――。


 《図鑑番号・六六八》

『サンレオン、陽獅子魔物、属性:日・火。』

 《個体情報》

『名前:、性別:♀、レベル:三六、特性:日照、性格:傲慢、技能:見下す、?、サンビーム、?』



 《図鑑番号・六七三》

『サンダーゴート、雷山羊魔物、属性:雷・木。』

 《個体情報》

『名前:、性別:♀、レベル:三十、特性:避雷針、性格:淫ら、技能:サンダーホーン、?、角串刺し、?』



 《図鑑番号・二四》

『ラミア、女蛇魔物、属性:水・毒。』

 《個体情報》

『名前:、性別:♀、レベル:二十八、特性:脱皮、性格:嫉妬深い、技能:毒吐き、?、妬む、?』



 《図鑑番号・一九八》

『ダーククロウ、黒烏魔物、属性:闇・風。』

 《個体情報》

『名前:、性別:♀、レベル:、特性:光物収集、性格:欲深い、技能:光隠し、?、騙し討ち、?』



 《図鑑番号・四零五》

『フロストタイガー、雪白虎魔物、属性:氷・雪。』

 《個体情報》

『名前:、性別:♀、レベル:四十、特性:降雪、性格:大食らい、技能:吹雪、?、氷牙、?』


 燃えるタテガミを持つライオン、角から放電しているヤギ、毒々しい鱗を持つ人の女性のような上半身を持つヘビ、以前どっかで見たことのあるカラスに冷気を纏う白いトラ。


(どれも結構レベル高いんだけど、どうなっているんだ?)


 ――――恐らくこの周囲にいるのはこういうレベルばかりかと、テレポートで適当に飛んできましたからもしかしたら高レベルの魔物が生息する場所に来ていても不思議ではありません。


(でもこうもレベルが高いんじゃ仲間にしにくいんじゃないか?)


 ゲームとかだと自分たちより高レベルの相手は仲間とかにするのは難しいのが相場であると思う。


 ――――マスターが一体何を参考にしているか分かりませんが、先程も申し上げたはずです……♀であれば制限などありませんと、今いる彼女らは通常種のようですので早速素材にするのがよろしいかと思います。


(じゃあまず仲間にして名前をつけないとな)


 ――――いえ、既に彼女たちはマスターのフェロモンにメロメロですのでもう省いて呪文を唱えてください、名付けはその後で結構ですよ。あ、呪文を唱える際は種族名で良いので。


 なんかすごいあっさりとしている、そしてよくよく考えたらとんでもないご都合主義というか、素材を求めていたのは認めるが制限解除した程度で運良く高レベルの魔物ばかり集まるだろうか?

 まさか……未だにチュートリアルだったりして、まさかな……そんなわけあるまい。単純に説明しそこねてたとかそんなのか、応用編とか上級者向け講習的ななにかだろう。今はこの状況を有り難く受け入れよう。


「さて、こんな感じか? 『オトニオジョオノマム・サンレオン・サンダーゴート・ラミア・ダーククロウ・フロストタイガー』」


 それぞれが属性エネルギーに変わる、炎、雷、水、風、氷が一つに合わさり――――パリンッ――――砕け散った!?

 属性エネルギーの結晶のようになったそれが砕け散り、地面に降り注ぐと、魔法陣が浮かび上がりそこに土……いや、粘土が盛り上がり魔物の姿を形成する。

 ベースはライオン、そこに強靭なトラの前足、背中からカラスの翼とラミアの物と思われる女体にその首から上がヤギの頭、ラミアのヘビの尻尾と形作られる、しかしこれではただの図画工作で作ったようなただの粘土の置物だ。

 するとそこへ魔法陣からオーロラのような光が立ち込めて粘土細工に色をもたらし、ライオンとヤギの瞳に魂が宿ったかのように色が灯ると、ガァァアアアアアアと咆哮を放ちようやく完成したようだ。


 ――――キマイラ(合成種・♀)は目覚めた! ……キマイラに名前を付けますか?


(キマイラか……相変わらず安直で悪いがマイで)


 ――――マイは受け入れた!


(受け入れたってなんだよ、納得してないのか!)


 ――――ええ、仕方なくです。マスターのネーミングセンスのなさにはがっかりですよ。


 余計なお世話だし、今に始まったことじゃないだろう……。


(それはいいからとりあえず情報を出してくれ)


 ――――了解しました。


 《図鑑番号・X三》

『キマイラ、合成魔獣、属性:五行(火・水・木・金・土)。』

 《個体情報》

『名前:マイ、性別:♀、レベル:五、特性:分割思考、性格:獅子/熱血、山羊/冷静、技能:ファイアブレス、サンダーボルト、ポイズンブレス、飛翔』


 全然違う属性になっていた、五行ってなんだよ。それに性格がライオンとヤギで違うらしい、ラミアは見たところないからヤギと一体になったと見るべきか。


(なんでレベルが五なんだよ、合成したら高レベルになるんじゃないのか?)


 ――――それは一時的に合体している場合です、合体したままの姿を維持するためにレベルを犠牲にしてやっと姿が固定されるのです。


(なんだそれ、聞いてない)


 ――――そうですね、言ってませんでしたし。



 悪びれる様子もなく淡々と話すレイ、最近なんだか反抗的じゃないだろうか。

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