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22匹目:グリモア

お待たせしました!


色々忙しい毎日でしたがなんとか更新しました。

 全裸の母子と対面した俺は今後の方針について考えていた。

 このまま全裸で連れ歩くか、魔物化して行くかである。

 前者は敵が来れば危険でしかないが、人肌とのふれあいが楽しめる。

 後者は敵が来ても安心だが、コツコツしたトレントはさぞ乗り心地は悪いだろう。


 ――――付近に生命反応ナシ。不安要素はありませんが、そこまで気になさるのなら他の戦力を召喚なさってはいかがですか?


 シロあたりでも呼んで、サクラとチェリーは戻すか……二人はまだ幼く人であっても魔物であっても足でまといだ。


「『ウカブマケロドム・サクラ・チェリー』そして『ノマソレド・シロ』」


 股間のレイからビームが放たれサクラとチェリーを絡めとり収納すると続けてビームが空に魔法陣を描き、シロがそこから降ってきて着地をする。


(……どっちも召喚に関する呪文だしどうにかならないのか?)


 ――――どうにかとは?


(いや、だから召喚と収納だろう? だからそれの中間というか……交換? みたいな)


 ――――なるほど、それは盲点でした。ちょっと考えますね、しばらく時間をください。


(え、呪文ってレイが考えてんの? というかそれなら他の呪文の中間も考えてくれよ、咄嗟に行動しなきゃならないときはそういうのがあれば楽だし)


 ――――分かりました、合わせて考えますのでしばらく集中させてください。


 しばらくは呪文も唱えないほうがよさそうだな。


「ボス、何か用か?」


「ああ、ちょっと護衛にな」


 屈んでシロの頭を撫でモフる、今日もいい毛並みだ。


「旦那様、私はどうしたら……」


 溢れる母性、レンをそっちのけでシロと触れ合っていたら所在なさげに手をふわふわと宙に彷徨わせていた……ふむ、元が木だけあってかどうにも風に揺られる枝のようである。


「ああ、悪いなその姿に慣れないようなら魔物に戻すが……」


「いえ、そうではないのですが……その、手を握っていただいても?」


 新しいな……そういえば今までそういった事をした事はない、というか人化させても言葉を話せるようになったらすぐに魔物にしていたが……普通健全な男子であればそういう発想に至っても良かったよな。


「手ぐらいならどんどん握るぞ」


 そう言ってレンの手を取ろうとすると、横合いからモフっとした白いものが邪魔をしてきた。


「ぶー、ボス、シロとはそういうのした事ない。」


 おっとシロ……妬いてるのか? チュートリアル時にはこういうのなかったけどそういうのも解禁されたのかな。心躍る三角関係、正直彼女も出来たことのない俺としては嬉しいような、でも三角では済まないような気がする。


「えーとなら、シロ……俺とレンを乗せて歩けるか?」


「できるけど……それじゃ、護衛できないよ?」


「まあその時は降りるから、頼む三人で仲良くするにはそれしかないんだ」


 それしかないという訳じゃないが俺がそうしたいだけ。


「分かった……乗りなよ、ボス……後レンも」


「ありがとうね、シロちゃん」


 レンがシロの頭を撫でる、シロは顔を反らすが満更でもないようだ、流石母性。

 俺がシロに跨るとそれに倣ってレンが後ろに乗った……作戦通り、背中にアレがあたっている。

 そして――――レンが背後から俺の体にギュッと抱きつく。


「よし、シロあっちの方に向かってくれ」


「了解」


 シロは俺たちを振り落とさないように注意しながら歩き出した。


 ――――呪文形成完了。記述を開始します。


 股間から離れたレイが俺の目の前まで浮いてきてページをペラペラとめくると、魔法の呪文が書かれているところの空白の部分に呪文が追加で書きたされていく。


 《人化魔法》

『オグウヨナモトチフ』:魔物と人の中間である魔人の姿に変える魔法。


 《合体魔法》

『ツオソルキゼド』:三体以上の合体時に分裂させる魔法。(例:三体合体時、二体合体と一体分ける)


 《回復魔法》

『イルスグジキオグス』:部位などを欠損した場合それを回復させる魔法。

『アレカコニクネギ』:致命傷を受けて瀕死になった場合復活させる魔法、なお完全回復はしない。


 《召喚魔法》

『エヂゼネヨト』:召喚状態にある任意の魔物と収納状態にある任意の魔物の召喚状態を入れ替える。


 新たに増えた呪文は五つ、それによって魔法呪文のページは綺麗に埋まってしまいこれ以上増やすことは出来なくなっているようだ……出来たら攻撃魔法とか考えて欲しかったんだけど。


(中間の魔法とは確かに言ったが……別に交換だけでも良かったんだよ?)


 そりゃ他にもとは言ったけど、正直回復魔法に関しては今のところ必要性を感じない。


 ――――いえ、ついででしたし……それに、攻撃魔法を考えてくれとか言われても困るので先にスペースを埋めておきたかったんです。



 どうやら俺はレイの策略にまんまとはめられたようだ。


 ――――魔法呪文ページが完成した事により、マジックブック(希少種・♀)はグリモア(補助種・♀)へと進化(アップデート)しました。

次回も数日の間に更新したいと思います。

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