21匹目:マタタミ(双)
すまない……短くてすまない、遅くなってすまない……。
でも後々増量あるよって言う、とりあえず更新。
増量された話のタイトルには種族名の後に分類/属性が追加されているよ!
飛べない鳥はただの肉だ……というわけで俺は今レンに実っていた小鳥さんを焼いている。
火力はファイの技能にあった火の粉を使ってレンの枝を何本か拝借し焚き火にして、ちなみにファイは生の小鳥さんを一羽咥えて収納されていった。
レンは焼かれる我が子? に大してこれといった感情は内容で喜んで俺に実っていた七羽を差し出してきた……一匹はファイにやって残ったうち四羽を焼き、ニ羽は手元に残した。
と言っても何か枝の様な切れない管の様なもので繋がっており二羽で一セットみたいな感じになってるが……双子とでも言うのか?
(全く違う種類の果実が一つだけ混じって実るってことはあるのか?)
残された二羽は繋がっている管を除いても他の食用になった小鳥とは違い、色や形も若干異なり……何より少しだけだが飛べるようであった。繋がってるから上手く飛べない感じになっているが羽が退化した感じではなくちゃんと広げられるようになっている。
――――全くないとは言えますが、恐らく寄生種ですね。実る前の花の段階でそういう寄生種の花粉に触れ変異してしまったものかと思われます。
元の世界じゃ恐らくに考えられないことだが、ここは異世界……突っ込みは無しだ。
しかし他人の巣に卵を置いて育てさせる鳥はいるんだし、魔物としては鳥っぽくなったからあながち間違ってるとも言えないのか?
(焼いてる連中は進化してもレンと同じのになるとしてこいつは進化したらもしかして別種の木になるのか?)
――――そうですね、トレントには違いないと思いますが恐らく別種のトレントになるかと。
(というか仲間にはなるのか?)
――――はい、可能です。もしするならば二人とも別々に名前をあげて下さい。
――――マタタミ(桜花種・双実種・♀)達を仲間にします。名前を付けてください。
(流石に二羽で一つの名前は無理か……何にするかと言っても、既に決めてあるがな。……サクラとチェリーだ!)
見たまんま元の世界のサクランボそっくりの見た目だったのでこれしか思いつかなかった、進化しても気になるならこうなるのは必然といえよう。
――――サクラとチェリーは喜んでいる!
(本当に?)
――――本当ですよ、嘘は付いたことはありえません。
(日本語が怪しいんだけど……。動揺してない?)
――――マスターの意地悪。
「すまん、すまん……っと次は恒例の人化ですよっと、こいつらどうなるんだか……『エゾフロマテムナムイヒ・レン・サクラ・チェリー』」
ついでとばかりにレンも人化しておく、分ける意味はないしな。
三人が白い光に包まれ、ぼふっと白い煙が吹き出すのにもいい加減慣れてきたところで手を振り煙を払うと、そこには……人妻、未亡人、お母さんとも言えそうな妙齢の女性と、手をしっかりと繋いで離さない双子の少女が立っていた。