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13匹目:ウォーラス

結局ファイはあれだけ食ったのに進化はしなかった、別の条件でもあるのだろうか?

そして次なる問題はアゲハ、進化してから一言も喋らなくなるわ、自力で身動きも取れないようで収納することにしといた。


「とりあえず海沿いを移動していくか『ノマソレド・シロ・ヒスイ・ユキ』」


股間から極太のビームが放たれ、空に魔法陣を描きそこから三人まとめて落ちてきた。羽ばたいて着地するヒスイ、普通に着地できたシロ、落ちて地面でコロコロしているユキ。

シロはその場でおすわりをして待機、ヒスイもそれに倣って同じように座ろうとするが骨格の都合上どう見てもそれは伏せっぽい。そしてユキはといえばシロとヒスイに怯えているのか俺の背後に回って足にしがみついてきた。

ルナが狩ってきたムーンベアは大きさがまちまちであったため恐らく群れか何かだったと思うがユキの大きさから見てまだ仔熊だ、それに比べ……シロとヒスイは俺を背に乗せても余裕で動ける大きさであるのだ、俺は仲間意識があるから平気だが、そこらへんがどうにも欠けているユキにとっては二人共恐怖の対象なのだろう。


「ボス、その子どうした?」


「酷く怯えているようだな……我らが怖いか?」


シロもヒスイも弁えているのかユキに不用意に近づかず一定の距離を保っている。


「ほら、ユキ、怖くないぞみんな仲間だ」


俺は足にしがみつくユキを引き剥がし抱き抱えるとシロ達との距離を少し縮め、ユキに囁くように言い聞かせる。……というか流石熊だ、ちょっと重い。


「な、かま?」


首をかしげながらシロとヒスイを凝視するユキ……色はみんな白っぽいからな、形は違えどそこはなんとかなるだろう。俺も形は違うからな……白くもないが。


「私はヒスイという、よろしく頼む」


ヒスイがユキを驚かせないように一歩踏み出し自己紹介をする。……そういやウチの連中で自己紹介とかさせるの初めてだな……というかみんな他のやつらをどう思ってるんだろう?


「……シロ。よろしく」


簡潔すぎて自己紹介と呼べるか定かではないが今度はシロがヒスイに倣って自己紹介をする。口下手だな。


「ユキ」


短く自分の名前を名乗るユキ、もう大丈夫だろうと地面に下ろしてやる――――よし、白色トリオ結成だ!


「で、マスターよ。今回の要件は何か?」


軽く打ち解けたところでヒスイが思い出したかのように俺に話を振ってくる。


「ああ、海沿いを探索しようと思ってな、ヒスイを用心棒にちょっとシロとユキを育てようかと」


「なるほど、ならば魔物がいる場所を目指して進めば良いのだな?」


「そうなるな、頼めるか?」


「問題ない、というか既に魔物の気配は掴んでいる……こちらだ」


ヒスイは迷いない足取りで歩いていく、俺はユキを抱き上げるとシロの背に跨りヒスイの後を追わせた。



しばらく海沿いを歩いていくと白い砂浜の上に黒い何かがたくさん並んでいる光景が目に入った。

拝所は岩かなにかかと思ったが近づくにつれその姿に丸みとテカテカとした光沢のようなものが見られる……どうやら魔物のようだが、結構たくさんいるな。


「ヒスイ、こいつらなのか?」


「いや、もっと先にこれらより遥かに強い気配がするのだが……先にこちらを片付けるか」


そうだな……レイ、あいつらの情報はないか?


――――あります、今表示しますね。


 《図鑑番号・三六三》

『ウォーラス、海象魔物、属性:水。』




ウォーラス……つまりセイウチか、あんなところで群れて何やってるんだろうか……日向ぼっこか?

まあいい、ヒスイが見つけたという強い奴の前の肩慣らしだ、一丁蹴散らすとするか!

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