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11匹目:ムーンベア

熊現れし時、作者が暴走する!?



 三姉妹――――そういうにはこの組み合わせはどうなのか。


 長女、ダークエルフ(見た目的に)。


 次女、ワーム(幼さ具合から)。


 三女、ロビン(人化が赤ん坊だったから)。


 正直俺の中では、ワームはロビンに食べられ、ロビンはダークエルフに狩られ、ダークエルフはワームに……どうもされない気がする、別に三すくみでもなんでもなかった。


「父上、如何なされましたか?」


 俺の目の前に横に並ぶルナ、アゲハ、ファイは魔物の姿をさせている。何故かと問われれば俺が未だに裸の女の子と一緒にいるということに対して慣れていないからだ、ついでに魔力もガリガリ削れるらしいし。


「パパ?」


「ぱぁ~」


 おう、よしよし……いい子だからじっとしてろよ。


 ――――すっかり子煩悩ですねマスター。


 子煩悩と言われる程じゃないだろう……というかなんなら手伝ってくれよ、母さん。


 ――――か、母さん? な、何を……そんな。


 脈アリか、いやしかし今はそれどころじゃない。問題はレベル差だ……この三姉妹をレベル順にするとルナ(三十二)、ファイ(三)、アゲハ(二)である。つまり幼さや成長具合はレベルに左右されないのである。

 まー虫は鳥なんかよりは早熟だろうけどな、故にレベルアップはもちろんのことだが、次いで進化させることも目標としなければならない。

 流石に進化させれば成長してくれるだろう。このまま赤ん坊を抱えて旅をするのは危険だと思う。


 ――――そうですね、一応可能性はあると思いますが人化というものはあくまでマスターのイメージの具現化ですから、マスターが彼女たちが成長したと認識さえできればどんな形であれ成長はすると思いますよ。


 え、それじゃあ俺がこいつらは大人だと思えば大人になるのか?


 ――――そうですね、けどマスターは心の底からそうだとは思えないでしょう? 心の奥底では疑念などを持ってしまうだから恐らく試しても無駄ですよ。


「父上?」


 俺とレイのやりとりは音を介さないので仲間になった魔物でも聞こえていないつまり俺はしばらく沈黙して考え事をしていたように見えるわけだ。


「ああ、悪い……ルナに頼みごとがあるんだが」


「なんでしょう?」


「アゲハとファイを進化させたいんだ、強くするには狩りをするしかないから、二人でも倒せそうな獲物を見つけてきてほしいんだ」


「それは生け捕りにして弱らせてから連れてきても良いのでしょうか?」


 生け捕りか、まあそれでもいいかな……というか出来るのかそんなこと。


「可能なら頼む」


「承知しました、では少しお待ちを」


 そういうとルナの姿は俺達の前から消えた、恐らく技能にあったテレポートだな。

 しばらく待つか……なあ、レイ。俺の魔力とやらは増やせないのか?


 ――――可能ですが、それは私の中の図鑑を充実させるしかないですよ? 新たな種と遭遇し私に記録する、その記録した種類が五種類毎に数値にして十、程度上がるはずです。


 というと俺の魔力は今……三十か?


 ――――いえ、元から百はありましたので百三十ですね。そして人化や魔物達の技能を使うたびに五ずつ減り。睡眠を一時間、またはブルーム一口で三回復します。


 ということは最大でも二十六回しか使えないのか?


 ――――そういうわけでもないですね、数値はあくまで目安なので最終的なところを言えば気合とか根性という類でどうにでもなります。


 え、じゃあ考えなくても良かったの?


 ――――あ、はい……最近使いすぎてたので注意しただけで普段から気にする事はないですよ。


 ……なんか力抜けた、馬鹿みたいだ。もういいや娘たちと遊ぼう。


「アゲハ、ファイ。おいで」


 俺は二人を手招くと膝の上に……乗る大きさじゃねぇやとりあえず胡座をかいて膝枕モドキで二人の頭を乗せ撫で回す……片や鳥、片や虫だがよく見ると可愛げがある。


 ――――イメージ補正ですね。


 うるさい。

 そんなこんなでアゲハとファイと無邪気にキャッキャ、キャッキャすること一時間後、ルナがテレポートで帰ってきた。……瀕死の魔物の山を連れて。


「な、なんだこの数は!」


 ついつい俺も叫んでしまう――――だって未知の魔物が山積みになって目の前に現れたのだから。


 ――――検索……ムーンベア、ダーククロウ、アルラウネ、ヘビカズラが各種十体少々ですね。


 こんだけ居たら仲間に出来そうな個体が一体ぐらい居てもおかしくはないな。


 ――――居ますね。


 マジか……どいつなんだ?


 ――――一体だけですが丁度目の前他のと毛色が少し違うムーンベアです。


 こんだけ乱獲して一体だけか……でも一体でも居ればいい方か。


「ルナ、そこの銀色のムーンベアを連れてきてくれ、仲間にするから」


「!? し、承知しました」


 ルナは死にかけのムーンベアを優しく抱き抱えると俺の前まで持ってきた。死にかけているからかルナも慎重だ。

 傷だらけのムーンベアが薄らと瞼を開く。


 ――――ムーンベア(白銀種・♀)を仲間にしますか?


 する。


 ――――ムーンベア(白銀種・♀)は仲間になった! ……ムーンベアに名前を付けますか?


 ――――名づけついでに回復魔法も唱えてください。このままでは死んでしまいます。


 白くてふわふわしてるから雪……ユキで。ああ回復魔法も唱えなきゃダメだったか。


「『アタネスノメコプ・ユキ』」


 ――――ユキは全回復した!


 あれ? 名前の感想は? 正直前回から本音云々言われてたけど今回は緊急事態だったもんで適当に答えてしまった。


 ――――瀕死だったのにそんなすぐに感想なんて出るわけないですよ。



 その答えは本音を語られるより辛い真実だった。

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