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枠物語
向こうの「悪魔との契約で、僕は1枚ずつ増えていく小説を書かないといけなくなった」という作品は、枠物語になっていて。
枠物語というのは、“物語の中に物語が存在している”という形式。
さらに、あの作品自体、この世界の僕が書いているので…そういう意味では、もう一段階枠物語になっているわけだ。つまり、「僕が小説家になれない」という作品の僕が「悪魔との契約で、僕は1枚ずつ増えていく小説を書かないといけなくなった」という作品の僕を描いており、その僕が「勇者と思っていた人が、実は極悪人だった」という小説を書いている状態になっている。
ちょっとややこしくなってきたけれども、枠物語とは、そういう技法。




