表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/200

僕の両親の話をしよう

 突然だが、ここで両親の話をしよう。僕の両親の話だ。

 父親も母親も、取り立てて語るようなコトは何もない普通の人だった。いたって普通の人だった。そりゃ、人並に欠点もあったし、長所もあった。だけど、そんな所まで含めて、実に普通の人達だった。

 そんなだったから、僕のことも普通に育てようとした。危険なコトは何もさせない。安全こそが第一。平凡こそが最高の幸せ。そんな風に考え、そんな風に生きた。


 だけど…いや、だからこそというべきだろうか?

 僕は、それに反発するような人生を選んだ。小説を書こうだなんて決めたのも、そのせいだった。史上最高の小説家などというものに憧れを抱いたのも…


 そうして、僕は戦いを挑んだ。何に対して?世界に対して。

 この安定した平凡な世界に、無力な僕は戦いを挑んだのだ。たった1つ“想像力”という名の武器を手にして。そして、無残にも敗れ去った。


 それから、どうなったかって?

 もちろん、悟ったのさ。“ああ、そうか!やっぱり、平凡が一番だったんだ!僕の父親と母親が言っていたように、危険なコトなど何1つせず、安定な人生を歩んだ方がいい。まして、世界に戦いを挑むだなんて、僕はなんて愚かだったのだ!これからは、平凡に生きよう!平凡こそ最高の幸せ!”などと、ベタな終わり方はしない。

 世界に敗れた僕は、結局、今でも世界に対して戦いを挑み続けている。敗れても!敗れても!その度に立ち上がり、新たな力を身につけながら、戦い続けている!!


 いや、忘れてくれ…

 というか、信じないでくれ。これは、嘘かも知れないし、本当かも知れない。そんな小説の話なのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ