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大地に根を張るイメージ
真っ暗な部屋で、独り考え直す。
“果たして、これでいいのだろうか?”と。
毎日が毎日、同じコトの繰り返しではないのか?このままで、本当に史上最高の小説家になどなれるのだろうか?
迷ってはいけない。大筋は間違っていないはず。地味ではあるけれども、この道で正しいはず。時間はかかるだろうが、闇の中に伸びるこの1本の道を進み続けるべきだ。そう確信する。
頭の中に1本の木が生えている。それは、大きな木ではあるけれど、まだ常識の範囲を越えてはいない。ただし、シッカリと大地に根を張っている。この木を大切に育てていかなければならない。ゆっくりとゆっくりと。それでいて、確実に。
いずれ、その木は巨大な大木となるだろう。森を覆い、街を覆い、国を覆い、世界を覆い尽くす時が来るだろう。この星そのものに根を下ろし、いつか星そのものと同化する日も来るだろう。
その日を夢見て、育て続けるのだ。もちろん、その木は物語。空想の象徴。空想の世界は、いずれ現実の世界と同化する。




