小説を書くのは、天気と同じ
目が覚めた。さあ、小説を書こう!
空も晴れている。快晴!
小説を書くのも、この空と同じようなもの。天気と同じ。晴れの日もあれば、雨の日もある、曇っていたり、雨が降っていたり、大嵐の日だって竜巻の日だってある。
けれども、小説の執筆と天気には違いがある。それは、晴れていればいいというものではないということ。むしろ、雪が降ったり、雨が降ったりしている時の方がいい小説になることも多い。
以前に、“雪が降り積もるように自然に”と表現したことがある。小説とは、無理矢理に書かれるべきものではなく、雪が降るように自然に生まれてくるものなのだ、と。結果、降り積もった雪が作品となる、と。
あるいは、こういう風に考えることもできる。
主人公が大活躍し、敵をバッタバッタと薙ぎ倒す!カワイイ女の子たちからは、モテモテ!これは、晴れている日だ。けれども、そういう日ばかりではない。強敵にボコボコにされ、谷の底に投げ落とされる。ボロボロに傷だらけになりながら、それでも再起を誓う!これは、大嵐の日。雷も鳴りまくっているだろう。
空がどんよりと曇った曇り空のような憂鬱な日もあるだろう。だったら、憂鬱な小説を書けばいい。
失恋して、涙に暮れている?心の世界に雨が降っている?だったら、大雨の降るような恋の小説に変えてやればいい。
小説とは、このように作者の心情とリンクしているのだ。一体化してしまっていると言ってもいい。それこそが、最高の小説を書く秘訣。
他の誰でもない。君の小説を書こう。君だけの小説を。君の人生と一体化した、君だけの小説を!




