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頭の中の新しい物語のカケラ達を
頭の中を新しい物語のカケラ達がウヨウヨとうごめいている。あるモノは、卵の形。あるモノは、木の苗。あるモノは、イモムシ型の奇妙な生物であり、他にも鳥の雛だったり、小型の太陽や月だったり、髪の毛の塊の姿をしているモノもいれば、龍や熊やクジラやゾウやシマウマやミミズやネズミの子供だったりもする。
これらの物語を、ここから出してやる必要があるのかも知れない。この「僕は小説家になれない」という物語から。
それが、この子達の為ではないのだろうか?
いつまでも親元にいては、子供は育たない。あえて、親の元から離してみては?そうして、世間の荒波に揉まれてこそ、立派に成長するのではないだろうか?今すぐにではないにしても、いずれ、世界へと羽ばたかせてやる必要があるのでは?放ってやる必要があるのでは?
僕は、そのように考え始めていた。
この考え方は、おもしろいな。物語の枠を越えた物語のあり方。
どうやら、また1歩、先へ進めそうだ。また、1歩、究極の作家へと近づいた。この計画を頭の隅に置いておき、いずれ実行に移そう。




