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もしも、小説の神が存在するならば…
立ち止まれば、そこで終わり。死が追いついてくる。死に追いつかれてしまってはいけない。
これまでの人生を振り返ってみると、いつもそうだった。
散々、迷って、悩んで、小説が書けなくなる。でも、そこに意味はなかった。
“より良い小説を書こう!”とか“これまで書いてきたモノは駄文に過ぎないのではないか?”といった思いから、小説が書けなくなる。だが、その行為に意味はない。
もちろん、世の中には駄文はある。駄作も存在する。常に作品の質を向上させ続けるコトも意識して生きていかなければならない。だが、それでも、小説が書けなくなってしまってはいけない。散々、悩み、迷いながら、それでも書き続けなければならないのだ。進み続けなければならないのだ。
これは、非常に辛い行為。それでも、そうしなけれなばらない。
なぜなら、それこそが作家のあるべき姿なのだから。理想の作家・究極の小説家を目指す者ならば、なおさらのこと。おそらく、“小説の神”も、そうやって生きているだろう。もしも、そんな者がこの世界に存在するならば、だが…




