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退屈な労働の日々から逃げだして

 さて、今夜も、そろそろ例の時間がやって来た。夢の世界からのお誘いの時間だ。ネムネム大魔神は、今夜も僕を捕らえようと手を伸ばす。


 僕は、ネムネム大魔神の魔手から逃れようと、必死に逃げ惑う。だが、結局、最後にはとっつかまって、夢の世界へと引きずり込まれてしまうのだ。

 それは、いい。それは、仕方がない。ただ、夢と現実の狭間の世界に滞在できるこの貴重な時間を有効に生かしたい。この時間には、この時間にしか書けない小説というものがある。それを少しでも残しておきたいのだ。


 夢と現実の狭間の世界で、僕は、毎日毎日、退屈な労働に従事していた…はずだった。

 だけども、いつの間にか僕は逃げだしていた。単純労働の日々から逃げだして、戦う決心をしていた。世界の隅っこに隠れて、ビクビクと怯えながら、その一方で世界を敵に戦う決心を固めていた。この世界を変えてやる!変えなければならないのだ!と。

 それは、僕自身の為でもあったけれども、僕と同じような境遇で、僕と同じような心境になって暮らしている大勢の人々の為でもあった。

 でも、どうやって戦う?その手段は、まだわからない。けれども、世界と戦う意志さえあれば、きっとどうにかなる。今すぐには無理でも、いずれその手段を発見し、実際にその力を手にする時は来るだろう。待っていろよ、世界よ。必ず、戦いを挑んでやるから。その日まで、待っていろよ…そう心に誓いながら、僕はゆっくりと眠りの世界へと落ちていくのだった。

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