理想の読者の声に従って
さて、こうして、次の話も完成したわけだが…
ここで1つ、問題が発生。「1話が短すぎるのではないか?」という疑問。
この疑問の声は、僕が発したわけではない。僕の中の心の声、いわば“理想の読者”とでもいうべき存在が、その疑問を提示したのだ。
「“プロローグ”も“次の話”も、わずか250文字ちょっとしかありませんよ。そんなことでは、立派な小説家にはなれやしませんよ」と、お節介にも(いや、“ご親切に”と表現するべきだろうか?)口を挟んできたわけだ。
ここで意固地になって、その理想の読者の声に反発することだってできる。
「いやいや、読者君。これは、表現方法の意見の相違に過ぎないのだよ。短い文章というのは、いわば、読みやすい文章。読者が飽きないように、読むのに疲れたりしないように、作者として配慮したのだよ」とか何とか理由をつけて、1話あたりの分量を減らすことは充分に可能だ。
だが、僕は賢いので、そんなことはしない。理想の読者の声に従って、文字数を増やすことに決めた。
何文字がいいだろうか?そうだな…前回、250文字かそこらだったならば、今回は倍の500文字で、どうだろうか?それで、理想の読者君も満足してくれるだろう。今回は、それで満足してもらおう。
などと語っている間に、既に目標とした500文字を突破してしまった。