この小説は、飽きたらやめる
勢いが落ちてきた。
昨晩の深夜に勢いで始めたこの小説も、当初の勢いが落ちてきた。
さあ、問題はこれから。
このまま徐々に尻つぼみになっていくのか?それとも、落ち着いて熟成された小説へと変わっていくのか?それは、誰にもわからない。
僕だけにはわかっている。世界中で、この僕にだけは…と言いたい所だが。実は、この僕にもわかっていない。この小説が、どちらへ向っていくのか?どのような姿へと変貌を遂げていくのか?あるいは、ある日、突然、終焉を迎えてしまうのか。それすらもわからない。
“飽きたら、やめる”
そのつもりで始めた。だから、この小説は、きっと僕が飽きたら終わってしまうだろう。
ここで、読者諸君の心の中に1つの疑問が浮かんできていることだろう。それは、理想の読者などではなく、現実にこの小説を読んでいる読者。つまり、“君ら”のことさ。
その疑問とは、こうだ。
「では、作者であるあなたは、この小説に飽きてきているのですか?」
ノーだ!答はノー!断じてノー!!
確かに、勢いこそ落ちてきてはいる。だが、そんなものが何だというのだ。心の底には、溶岩が燃えたぎるような沸々とした思いが、いまだに存在している。表面上、そうは見えないかも知れない。それでも、それは確かにいる。
“ある”ではなく“いる”と表現したのは、それが生きているからだ。まるで、魂を持った生命のように。心の底で、ジッとこちらを見つめている。広いお堂のような場所に鎮座している。「早く、オレを描いてくれよ」と、その思いを言葉にもせずに目と表情だけで訴えかけてくる。
待ってなよ。今に描いてやる。だが、ここではまだ早い。
とりあえず、図書館に行ってこなければ。もう、図書館に行く時間。タイムリミットが迫っている。