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世界と戦う力

 小説家に紅茶は欠かせない。

 お湯を沸かし、大きな魔法瓶に紅茶のバッグを5つ投入。魔法瓶の中に沸騰したお湯を注ぎ込んでいく。これで、2リットルかそれ以上。丸1日程度はもつ。

 他の贅沢はしない。だから、せめて、この程度の贅沢は許されるだろう。贅沢とすら言えないような贅沢。値段にすれば、わずか40円かそこら。それで、精神世界に没頭できる。


 紅茶を沸かし、気分をよくした僕は、さっそく1杯目をカップに注ぎ、ゴクリ。


 熱い!!


 忘れていた。いれたての紅茶は異様に熱かったのだ。舌をヤケドしてしまったかも知れない。

 だけど、いいコトが1つだけあった。これで、小説が書ける。


 小説というのは、静かな環境で書くものだと思われているかも知れない。だが、実はそれは違う。

 小説を書いている人ならば、誰もがそのような環境を望む。誰にも邪魔されず、何の雑音もなく、一切の雑念も入らず、それこそが理想の環境だと信じて疑わない。けれども、そのような環境からはいい小説は生まれない。徐々にマンネリ化していき、駄作となっていく。そうではなく、邪魔が必要なのだ。

 世界を敵に回して戦う勇気と思い。それも、たった1人で。味方などいない。世界中が“ノー!”と言っても、僕だけは“イエス!”と断言できなければならない。あるいは、その逆か。歴史上のありとあらゆる人間が肯定する場面で、僕1人だけは、それを否定しきる。

 理想の作家・究極の小説家に必要なのは、そのような能力。強い強い思い。世界を敵に回しても、それでも戦い続けられる力。その為には、熱い紅茶でした舌のヤケドが何だというのだ。

 戦わなければ!この世界と!

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