魔神と領土獲得
「ちっ!」
雑魚がチョロチョロとうざく攻撃してくる。
水中でも余裕でかわせるが、数が多く、何よりボス級が二体、交互にちょっかいを出してくる。
「……うぜぇな」
チマチマしやがって。
「……雑魚は領土ボスを倒さないと消えないんだったな」
雑魚はついでに倒しつつ、ボスも倒せと。
「陸上と空中なら魔神ソウルが使えるんだが」
水中じゃあ溺死する。
「面倒だが」
やるしかねえな!
俺は雑魚を両手の爪で引き裂きながら、ボスへと泳いでいく。
雑魚は余裕だ。だが、ボスはどうだろうな。
「……」
大分深くまで潜ると、二体のボスの全貌が見えてきた。
簡単に言えば、ウツボとサメだ。魚類のような姿をした巨大でゴツい全長十メートル程の、イビラントシャーク。手足はないが全長は五十メートル以上ある、ウィーツアクル。
「って、どうやって倒すんだよ?」
俺が負けるとは思わないが、長期戦になりそうだ。
「仙水牙城」
水中なのに、シャリアの声が聞こえた。
水のトゲが二体のボスを貫いていく。
「シャリア?」
シャリアが水中で優雅に微笑んでいた。
「新しくゲットしたアビリティよ。水を纏うの。あっちは任せていいって言ってたから、手伝いに来たわよ」
こういうことが出来るのは知らなかったけど、と肩を竦めて言う。
「俺もいるぞ!」
リューシンも来ていた。
「……サンキュ。リューシンは雑魚を。シャリアは俺の援護でよろしく」
「俺はやっぱり雑魚担当かよ!」
リューシンも雑魚いし、丁度いい。
「はっ! 死ね!」
俺は高速でサメ野郎まで泳ぎ、蹴り飛ばした。
「そんなに悠々と構えてるからだ」
ギロッとこっちを睨むサメ野郎に言い、身体をくねらせながら俺に牙を向けてくるウツボ野郎。
「ちっ」
俺は旋回しながらそれを避ける。が、ウツボ野郎は俺を追ってくる。大して速度はないが、しつこい。
「ジーク、右!」
シャリアの声に反応して右を向くと、サメ野郎が俺に、口を開けて突っ込んでくる所だった。
「やべっ!」
サメ野郎の方は遊泳速度が速い。
「水流波!」
片手をサメ野郎に向け、水の波動を放って若干遅らせる。
「っと」
そのおかげで避けられた。
「ちっ。面倒だな。シャリア、いい案はねえか?」
「さあ? 雷なら全体攻撃になるんじゃない?」
……なるほど。
「じゃあ、シャリアは上がってろ」
「ホントにやるんだ?」
「ああ。ウツボ野郎は絶対に倒せるぜ」
俺はニヤッと笑って言い、泳いでウツボ野郎の近くまで行く。
「へっ。雑魚が」
俺は適当に殴り付けて、挑発する。
するとウツボは巻き付いてきた。じわじわと殺してやろうってか?
「甘いな。ーー悪魔ソウル“雷穿悪魔”」
俺の姿が変わる。
頭に黄色い角が生え、金髪になる。背中に小さい太鼓を円で繋いだようなものが出現し、格好が腰巻きだけになる。肌は所々が黄色い鱗に覆われている。
「はっ! 喰らいな!」
俺は全身から放電する。“雷穿悪魔”は自身から放電出来る。
「ライトニング・バースト!」
だが、いっそのこと倒す気でいこう、とアビリティも発動する。自分の周囲に雷を放電していく、囲まれた時に使えるアビリティだ。
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
湖全体が感電する中、リューシンの悲鳴が聞こえた。……そういや、あいつには言ってなかったな。すっかり忘れたぞ。
「……」
俺は泳いで水面に向かう。水中じゃああんまり戦えないし、ウツボ野郎の巻き付きは予想以上にダメージを喰らった。
「ぷはぁ!」
湖から上がって悪魔ソウルを解除する。
雑魚モンスターの死骸が水面に浮いてきては消え、浮いてきては消える。リューシンも浮かんできた。
「水死体だと? 誰がやったんだ、リューシン」
「お前だろ!」
起き上がって言う。……無事か。もう少し攻撃すれば良かった。
「何で残念そうな顔してんだよ!」
ツッコミながら湖の淵まで泳いで上がる。
「おっ?」
ウツボ野郎が浮かんできて、消えていく。
「やっぱ倒せたか。どっちが領土ボスだかは知らねえが、悪魔ソウルなめんなよ?」
ウツボ野郎の魂が俺の中に入ってくる。
「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
悲鳴に驚き、振り向くと、シュリナがルシファーに落とされていた。
「ちっ! シュリナが殺られるのはヤバい。リューシン、サメ野郎は任せた俺はあっちに行く。シャリア! シュリナの回復は頼んだぞ」
「わかってるわよ」
シャリアに指示を出して、俺は悪魔ソウルを解く。
「魔神ソウル“第二形態”」
全身から漆黒のオーラが立ち上る。髪は逆立ち、角が二本生える。眼は紅く染まり、全身に黒い筋が浮き上がる。
「はっ! 死ね、堕天使野郎!」
俺は跳躍して宙に浮くルシファーへと向かう。
「……」
俺に気付いたルシファーは剣を振りかざしてくるが、俺は空中を蹴って方向転換しつつ、ルシファーの背後に回り、下に向かって殴りつけた。
「ぐっ!」
ルシファーは呻いて、地面に叩きつけられる。
「はっ! てめえら、てこずってんじゃねえよ!」
宙で仁王立ちして言う。
「殺れ」
地面に伏したルシファーを見下ろして言う。軽く全員でリンチして、倒した。
「そういや、三ツ首のヤツは?」
「ユザとファルで倒しちゃった」
リーニャが胸を張って言う。……モンスターはやるよな。モンスターは。
「まあ、これで俺らの領土は確保した。金稼いで落ち着いたり人数増えたら別荘も造ろうぜ」
「気が早いな。まあ、それはいいとして、さっさとホーム建てようぜ。魔王軍が攻めてくるとも限らないし」
いつの間にかいたリューシンが言う。
「じゃ、パトロールとガラドの手伝いに分けて、ギルドホーム建てるぞ」
「「「イエス、マスター」」」
ふざけて返事をし、ここに集まる前の分担に戻っていく。
次は他のエリアを守るギルドの様子です。
それが終わる頃にはホームも完成しているかもしれません。
活動報告でキャラ募集をしましたが、案を出してくれた方、ありがとうございます。まだまだ募集しますので、お願いします。
ぜひ、リューシンに彼女を!(笑)




