悪魔と初バトル
タイトルですが、悪魔は主人公のことを指します。
職業:ソウルイーター
種族:ヒューマン
レベル:1
HP 1
MP 1
STR 30
DEF 0
AGI 30
DEX 30
INT 0
MDF 0
VIT 0
LUK 0
振り分けポイント残数:0
「ぷははっ! 何だよ0って! お前も低いな!」
リューシンに思いっきり笑われた。
「いいだろ、30があるんだから」
攻撃と回避が良ければ勝てるから。
「まあな。で、職業説明は?」
リューシンはまだ笑って言う。
「これだな」
ソウルイーター:魂を喰らう者。敵モンスターを倒すと魂を自身に取り込み、スキル、能力が増える。経験値は魂を入手することでも入手出来る。己の肉体が武器! たくさんモンスターを狩って強くなろう!
「……どーも微妙だ」
素手でモンスターを倒せと。
「ふーん。まあ、俺よりマシだろ。んで、二人共モンスター倒さないと固有スキルが使えないし、簡単なフィールドに行こうぜ」
「了解。道案内は任せた」
俺は知らないからな。
「でさ、何で0があるんだ?」
1~30だろ?
「まあ、ソウルイーターの宿命だろ」
そんな宿命はいらねえ。
とりあえず、最初のフィールドに向かった。
▼△▼△▼△
「基本は俺攻撃で、リューシンは守備でいいか?」
フィールドの入り口に着いて言う。
「何でだよ。俺、ステータスオール1だぞ? 一撃で死ぬじゃん」
「いや、俺0だし。HPも情け程度に1しかないし」
俺の方が駄目だろ。
「まあ、そうだな。俺は振り分けポイントがあるから、DEFに極振りすれば11だしな」
リューシンは納得してウインドウを開く。振り分けポイントを割り振ってるのか。……俺、0だけどな。
「オッケ。んじゃ、攻撃は任せたぞ」
「はいはい。任されました」
素手だけどな。
「所持金はどうだった?」
「ん? ……俺は金運がないみたいでな。1Gだ」
チャリーン。
「ぷっ。俺は金運良し。5000Gだ」
ジャラッ。
……俺ら極端過ぎ。リューシンは金持ちだな、ズルいぜ。
「……まあ、いいや。んで? ここの主なモンスターは?」
長々と自慢されるのは厄介なので話を変える。
「ん? ゴブリンだな。ほら、もう見つけた」
早っ。街を出てちょっと歩いただけなんだが。
ゴブリンは革の鎧を着た小鬼だ。身長が一メートルちょっとしかない。右手に棍棒を持っていて、まあ、それだけだったら可愛いかもしれないが、ギョロ目だ。血走ったな。
「とりあえず、狩るか」
「ああ。頑張れよ、ソウルイーター」
「お前もな、紋章人」
ふざけて言って、俺はゴブリンに向かって駆ける。
身体が軽い。中学で部活やってた時より動けそうだ。
「らぁ!」
思いっきり殴り飛ばしてやった。
「ギィ!」
おぉ、結構飛んだな。もう半分もHPが減ってるぞ。
「リューシン! このままだと俺が一人で倒せそうだ。お前も参加しろよ」
ゴブリンが起き上がる前にリューシンに声をかける。
「追撃、とうっ!」
ゲームの中だからって、現実ではリューシンが出来ない跳び蹴りをかましていた。
「ギィ……」
リューシンの攻撃は大して効かないので怒って立ち上がるゴブリン。
「ギィ!」
リューシンに向かって棍棒を振る。……結構遅い。現実の身体能力でも避けれたな。
「ぐっ」
が、動きの遅いリューシンはガントレットでゴブリンの攻撃を受ける。
DEFに極振りしたおかげか、2ぐらいしかくらってない。
「で、俺の出番か」
打ち合わせ通りに、俺がゴブリンを二、三発殴って倒した。
ーーと、レベルアップのファンファーレが鳴った。
「おっ?」
「レベルアップしたな。最初の戦闘でレベルアップするなら経験値は変わんないみたいだ」
ふーん、なるほどな。
「で、俺には魂もあると」
俺の目の前に白いフヨフヨ浮かぶ物体があった。……俗に言う、人魂みたいな?
「……ん?」
スーっと俺の胸辺りに入った。
「別に食わなくていいんだな」
リューシンは妙なところで感心していた。
「スキルとステータスを確認しようぜ」
ステータスが増えて、マシになってるかもしれないし。
まずはリューシンのステータス。
職業:紋章人
種族:エルフ
レベル:2
HP 20
MP 20
STR 11
DEF 21(+10)
AGI 11
DEX 11
INT 11
MDF 11
VIT 11
LUK 11
振り分けポイント残数:10
所持紋章数:1
装備欄 防具
頭:なし
腕:なし
胸1:ポロシャツ
胸2:革の鎧
腰:ジーパン
脚:サンダル
武器
右手:紋のガントレット
スキル
『エンブレムセット』
『エンブレムガード』
『ゴブリンエンブレム』:【ゴブリンナックル】
『蹴術』:【蹴り上げ】 【踵落とし】
【跳び蹴り】
『ガントレット生成』
『守る心』
おぉ、10も上がってるじゃん。強くなるな、リューシン。
「10も上がってる! これは不遇職じゃなくてレア!?」
リューシンはテンションがかなり上がっていた。
「スキルも増えてるよな。全職共通スキルと紋章人オッケーのスキルか?」
「多分。『守る心』が前者で、『蹴術』が後者だと思うな」
紋章人には格闘も必要か。
「じゃ、次は俺だな」
リューシンが強くなったこともあって少し楽しみにウインドウを開く。